過去ログ - 一夏「なんでお前が?」
1- 20
983:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[saga]
2012/10/11(木) 02:03:47.92 ID:mksfoAtL0



「は?」

俺は男の口から放たれた言葉の意味を飲み込めずにいた。
いきなり、そこら辺にいそうな男子高校生に向かって『この世界最大のイレギュラー』なんて言われたって現実味が一切ない。
冗談にしては下手すぎるし、男の表情からそういうふざけた感じは全く感じない。

「君は自分では普通の高校生か何かと思っているようだけど、周りから見ると到底そうは思えないだろう。国家プロジェクトである『IISプロジェクト』の最初のテストパイロットにして、世界で一人だけのISを動かせる男の友人。あ、今は二人かな」

「そんなの偶然でしょう。一夏はもとから千冬さんの弟で、あいつ自身すげーやつだし。親しくなったのだって偶然ですよ。玉鋼のパイロットの件だって、偶然一夏の友人だったから立花さんに会えて、たまたま立花さんに気に入られたから――」

混乱する頭と反対に口は思っているよりも自然と言葉をはじき出す。
そう、単なる偶然の積み重ね、それで俺は一夏の隣にいた。
多少の努力はあったものの、まだそういう偶然や運とかがないと一夏に並べないのも事実だ。
俺の誇れるものと言ったら、今のところ玉鋼ただ一つなんだから。
ただ、男は俺のその言葉をさえぎってこう言った。

「偶然が続いていいのは三つまでだよ。それ以上は必然だ」

びくり、と体が震えた。
眼差しはまっすぐで、俺をとらえて離さない。

「偶然君は一夏くんと仲良くなり、彼は偶然ISを動かせる稀有な人間だった。偶然IISのテストパイロットが一夏くんの周りから選ばれ、偶然君は藤吉に気に入られた。これだけで四つだ」

指を折りながら、諭すようにゆっくりとした口調で男は続ける。

「さらに言えば、君が藤吉の作った玉鋼に単一仕様能力を発動できるレベルまで適応できる人材であったのも一つの偶然でもある。追及していけばキリがないんだけど――」

「ちょ、ちょっと待ってくれよ! 今あんた単一仕様能力の使用できるレベルって、単一仕様能力の発現条件のこと知ってるのか!? それに立花さんのこと藤吉って、立花さんのことも!?」

思わず口を挟んでしまった。
口ぶりから、明らかに単一仕様能力がどうすれば発現するか知っているような口ぶりだ。
しかも立花さんの下の名前を知っているのも気になる。

「あぁ、二つの事柄ともよく知ってるよ」

あっさりと男は肯定して見せた。
ごく自然に。
その姿は嘘をついているようには全く見えない。
知っている、という確信がなぜだか持てた。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/948.68 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice