11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2011/06/26(日) 15:58:09.68 ID:BD9wf7ABo
――宿から歩いて5分のところに、湾状の海岸がある。
潮風避けの雑木林を歩く。
塩の匂いをのせた風が木々の隙間を流れ、葉が日陰を作り、涼やかになった。
そこを抜けると潮騒の轟きが聞こえてくる。
長く高い堤防にところどころ階段があって、それをのぼってようやく海が見える。
しきりにサンダルと指の間を整える紬の手を引いて、梓はその階段をのぼった。
「あ。梓ちゃん、あれ」
紬が指差す方を見ると、「遊泳禁止」と書かれた看板が立っている。
「あ……ここ泳いじゃだめだったんですね」
「うーん……それなら合宿は他の場所にしたほうが良さそうね」
道理で……と紬はさっきの宿に客入りが少ない事を納得した。
あてが外れた二人は「ふぅ」と溜息を漏らしたが、いよいよ下見の大義名分はなくなった。
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