過去ログ - 杏子「あたしの恋はベリーハード」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:34:36.63 ID:pd9i2CU5o
保健室で薬を服用している最中から、ほむらは胸の内に冷たい不安が溜まっていくのを感じていた。
この学校の構造はよくわからないし、建物の中はどこも似たような調子で、ここが何階かも分からない。
ドジな自分は休み時間が終わるまでに教室に戻ることが出来ないかもしれない…
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:35:17.15 ID:pd9i2CU5o
数学の授業が開始されて数十分後、ほむらはせっかく治ったばかりの心臓が停止するかと思った。
そしてその危機は今以て継続中である。
全開の鼓動に、いつこの慣らし運転中の脆弱な血流ポンプがぶっこわれるのかと不安になる。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:35:58.53 ID:pd9i2CU5o
午後の体育でも、ほむらは晒し者になっていた。
みんなが一生懸命汗を流している気配を感じながら、独り外れて木陰に蹲り、休んでいる。
「準備体操だけで貧血って、ヤバいよねー?」
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:36:43.09 ID:pd9i2CU5o
授業が終わると、外階段掃除の当番に任ぜられ、ほむらは男女一名ずつの後ろについて校舎裏の暗がりに導かれてきた。
「ここの当番は天国ですわ」
ところが女生徒の方は清掃区域に着くやいなや、そう言って掃除用具を放り投げた。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:37:42.37 ID:pd9i2CU5o
「やっぱり志筑さんはよく分かってるなあ」
上条くんと呼ばれた男子生徒はそう言い、ニヤニヤしながらほむらの後ろに回りこんできた。
ほむらが嫌な雰囲気を感じ取ったと同時に、上条は無言で彼女を羽交い締めにし、その動きを封じた。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:39:07.24 ID:pd9i2CU5o
「あはは、この娘、既に泣いちゃっているよ。 志筑さん、やっぱり許してあげようよ」
上条は冗談でも言うように、笑い混じりにそう言った。
許してやろうなどとは露程も思っていない物言いだ。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:39:40.31 ID:pd9i2CU5o
「志筑さんは、本当に腹パンで他人をイジメるのが好きだよねえ…」
息が詰まって絶命の予感すら覚えているほむらの必死とは裏腹に、のんびりとした口調で上条が喋っている。
「何も知らない動物並の男の子達は、すぐにおっぱいとかお尻に眼をやりがちですが――」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:40:10.25 ID:pd9i2CU5o
「うぐう!!」
「お腹ですわっ!」
衝撃に狂ったほむらの体が、また呼吸を忘れた。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:40:43.56 ID:pd9i2CU5o
「いっ…痛い!」
ほむらの長い三つ編みの髪が引っ張られ、感じる痛みを何とか和らげようと、そのベクトルに従うようにほむらは顔を上げた。
「ほら、しっかり立ち上がってくださいまし」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:41:58.86 ID:pd9i2CU5o
「おえええええっ」
ほむらは嘔吐し、その吐瀉物の上に腹を抱えて倒れこんだ。
「まあ、とても汚いですわ!」
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