過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
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18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/07/02(土) 00:35:14.59 ID:4jjVYGHho

いらいらと、美琴は自分の髪を掻き毟る。

傍から見れば、自分はどんなに醜いことをしているのだろうか。
無抵抗の身体障碍者に手を上げ、足蹴にし、暴言を吐いている。
社会的に見れば、それは許されざることだ。

心の中で冷静な自分がそう呟けば、だからどうしたと熱い自分が叫ぶ。
こいつはそれだけの事をした。むしろ甘すぎるくらいだ。こんな奴は世界から爪はじきにされ、一人寂しく死ねばいい。
考えつく限りの苦しみをその身に与え、地獄のような苦しみの中で惨たらしく殺したところで、誰にも文句を言われる筋合いはない。。

……だが、これは半ば八つ当たりだ。
自らの罪を、より罪深き者になすりつけて逃れようとしてるだけの、醜い行為。
御坂美琴と言う人間の、心の奥底に澱のように溜め込まれた誰にも見せられない汚い部分。
それを自覚してなお、美琴の糾弾は止まらない。

「私はあんたを絶対に許さない。
 例え全世界があんたの味方でも、私は、私だけはあんたを絶ッ対に許さない……ッ!」

美味しそうにファーストフードを頬張る9982号。
一緒に生きる理由を探してくれと呟いた10032号。
愛称で呼んでくれと言う10777号や、ちょっぴり照れ屋な19090号。
無邪気で可愛らしい打ち止めや、性格はひねくれてるけど可愛いもの大好きな番外個体。

彼女たちと同じように、死んでいった妹たちもまたそれぞれの命を持ち、それぞれの未来が待っていたはずだ。
それを残酷に蹂躙し、破壊し、凌辱し、全てを奪い取っていったのは目の前の男。

許せない。
許せはしない。



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