過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
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802: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/06(月) 01:47:48.05 ID:0eURSEjko

 まるで不格好な、槍投げのフォームに似た動きだった。
ただし投げたのは槍ではなく圧縮された"空気"だ。
一方通行は左手に掴んだ空気のベクトルを収束し、あたかも槍のようにして撃ち出した。

以下略



803: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/06(月) 01:48:36.20 ID:0eURSEjko

「『油性兵装(ミリタリーオイル)』」

少女は呟く。

以下略



804: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/06(月) 01:50:36.52 ID:0eURSEjko

そう嘯く少女に、一方通行は鼻を鳴らす。

「……『闇』は解体したはずだ。俺がそォ仕向け、クソどもはそォ話を進めた。
 なのにこの期に及ンで、なぜオマエみてェな連中が生き残ってやがる?」
以下略



805: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/06(月) 01:52:48.25 ID:0eURSEjko

 一方通行が大きく飛びのいた。
寸前まで彼がいた場所を床から飛び出した大きな杭が貫く。

その場だけではない。
以下略



806: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/06(月) 01:54:17.44 ID:0eURSEjko

 大きな杭を踏み砕き、その勢いで一方通行は壁際へと跳んだ。
勢いよく振られた彼の腕が壁に生えた杭を砕き、そのまま壁材へとめり込む。
メキメキと音を立てて"引っこ抜いた"壁材に周囲からかき集めたありったけの運動エネルギーを乗せ、思い切り投擲した。

以下略



807: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/06(月) 01:56:32.69 ID:0eURSEjko

 あるいは施設の一部を崩落させるような攻撃をすれば、『油性兵装』は耐えることも逃れることもできずに瓦礫の中へと消えるかもしれない。
だがここは敵本拠地であり、どこに誰がいるのかもつかめない場所だ。
万が一『第三次製造計画』を攻撃に巻き込んだ時のことを考えると、その手段は最初から考慮に入れることもできない。
そんな葛藤を見透かすように、少女は言う。
以下略



808: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/06(月) 02:00:41.28 ID:0eURSEjko

「弱いなりの工夫、と言ってほしいね。
 それに、付け焼刃とはいえそれなりの効果はあるみたいだし」

「少しやり合った程度で吹くじゃねェか」
以下略



809: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/06(月) 02:06:32.89 ID:0eURSEjko

「むーだ」

 パチンと『油性兵装』は指を鳴らす。
直後、一方通行が完全に掌握していたはずの空気が爆発し、膨張した爆風が無軌道に逃げ場を求めて通路内を駆け巡る。
以下略



810: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/06(月) 02:07:43.85 ID:0eURSEjko

 紅炎と爆風が通路中を駆け巡り、もくもくと吐き出された刺激臭を伴うねばつく黒煙が周囲を漂う。
『油性兵装』が能力を使って構造物を保護・補強していなければ、上下数階層は崩落していたかもしれないほどの大爆発。
その爆心地にあって、なお『油性兵装』は自らの足で立っていた。

以下略



811: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/06(月) 02:09:28.57 ID:0eURSEjko

 横倒しになった長さ十数メートルほどの巨大な円筒状で、『油性兵装』がまとう装甲と同じように黒くぬめった輝きを放っている。
下部にはそれを正確に撃ち出すための発射台が設置されており、後部には複数の推進システムを組み合わせた複雑な発射機構が解放の時を今か今かと待ちわびていた。
もはや『杭』ではなく『破城鎚』と形容すべきその姿は異様な存在感を放っている。

以下略



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