過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
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942: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/04/04(水) 03:05:21.79 ID:KuXo2uTOo

「……『第三次製造計画』ってなァ、随分期待されてるみてェだな」

 その呟きは、彼の率直な意見を表していた。
未元物質は世界でも垣根帝督だけが生み出すことのできる素材だ。
それから作られた兵装を惜しげもなく装備させられるのだ。
戦場へ出した際、武器を奪われ解析されることなどないと思っているのか。
あるいは、使い捨てても問題ない程度のものでしかないのか。

それだけではない。
運動エネルギーを操作することで一方通行は常人を越えた速度で移動することができる。
直線的ではあるが、それでも並の人間に追いつけない速度であることに変わりはない。

しかし、『油性兵装』のように能力を使うことなく、『ミサカ』は純粋な脚力のみで彼に追いすがってくる。
それを支えているのは恐らく脚部全体に取りつけられた装甲のような装置だろう。
シルエットとしてはロシアで見た高機動型の『駆動鎧』よりも遥かにスマートであるにも関わらず、それが生み出す速度はさほど変わらない。
そこには一体どんな技術が投入されているのか。

番外個体は『第三次製造計画』を指して、
『レベル5を除く全暗部構成員に対し、一対一で余裕を持って打倒できる』
と評した。その言葉通りなら、つまりは彼女たち1人1人がレベル5に次ぐ火力を備えていることになる。

なんの特殊装備なしであっても、番外個体は暗部組織のレベル4である絹旗最愛をなんなく下して見せた。
相性もあろう。しかしそれはここまでの圧倒的な差を生むものではないはずだ。
同じレベル4に分類されてはいても、その中では最上位に位置する存在。
軍隊と単騎で渡り合えるレベル5に次ぐのなら、軍隊とだって戦えてもおかしくはない。

最先端の兵器と、最上位クラスの超能力者。
両者を組み合わせて兵站をしたのなら、それは間違いなく世界最高の軍隊となる。

その体現が、目の前の少女。
そう一方通行は思っていた。
しかし、

「何か勘違いをされているようですが、この"ミサカたち"は『第三次製造計画』の正式ロットではありませんよ?」

 その言葉に、一方通行は動揺する。



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