過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
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◆nW2JZrx2Lo
[saga]
2012/04/04(水) 03:13:35.15 ID:KuXo2uTOo
「そうまでして死にたくないともがき続けますか、一方通行。今のあなたはとても醜い」
「……なンとでも、ほざきやがれ」
今の彼には精一杯の虚勢。だが、それも26428号にはそれも通じない。
彼の横に跪いた彼女は武器を手放し、彼の右手を両手で包み込むように持つ。
「なっ!?」
「……この状態で、ベクトル制御ができますか?」
にやり、と番外個体を思わせる悪い表情で『リプロデュース』は笑った。
今の電極の状態は日常生活モード。出血を抑えてはいられない。
だが、電極のスイッチを切り替えればベクトル制御は彼女へも影響を及ぼしてしまう。
どうするべきか悩む一方通行をよそに、『リプロデュース』は彼の指を1本1本曲げたり伸ばしたりと弄ぶ。
「細くて白い指ですね。"ミサカたち"10032人の血が染みついた男性の指だとはとても思えません。
……覚えていますか? あなたと"ミサカたち"には、指に纏わるとある因縁があるのですよ?」
「……因縁? 何の話だ」
「10031号の、指ですよ」
10031号。彼が殺した、最後のミサカ。
一方通行は、彼女に何をしただろう?
ぶちぶち、ぶちぶちと何かを噛みちぎる感触が、口の中に蘇る。
裂ける肉、砕ける骨や爪、そして広がる鉄錆のような味と臭い──
思わず叫び出しそうになる一方通行をよそに『リプロデュース』の右手は一方通行の右手の親指を除いた四指を、左手は掌を掴む。
口元は切り裂かれたような笑みを浮かべ、そして……、
「彼女の指は、美味しかったですか?」
ごきり、という骨が砕ける嫌な音と、それをかき消すほどの絶叫が周囲に響き渡った。
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