過去ログ - さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」
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◆G2uuPnv9Q.
[sage saga]
2012/06/11(月) 20:19:00.08 ID:44GbrwKs0
アイリン「…」
「俺の人生を動かしたのは運命の歯車ではなく俺の腕力ってことだ、そいつは俺が選んだ道だ、憐れまれるなんて侮辱だね」
アイリン「…そうね、ごめんなさい」
「…」
じーっと、男がアイリンの顔を見つめる
こんな汚い話をして、怯えなかった女性は彼女が初めてだった
「…お前、肝が据わってるな、いい女だよ」
アイリン「…そう?」
「…手放すには惜しいが、手に入れるには勿体ないや」
しっし、と手で払うようにして男が笑う
下品な笑みで、しかしどこか子供の様に純粋なものだ
「行きな、もうアンタ達は俺みたいな化け物と一緒にいなくていい」
ジョン「…行こう、姉ちゃん」
アイリン「…」
もう一度、アイリンが男にキスをする
「…」
アイリン「さようなら…ね」
「…あーそうだね、さようならだ」
くるりと振り返った二人が、走り出す
もう会うことはないだろう、その二人を男はしばしじーっと見つめていた
そして気づいたのは、その二人の体に、何か赤い点が浮かんでいることだ
ジョンの頭に、アイリンの背中に、赤い点が
それは、まるで、銃の照準の様な
「あーあ」
グラリ、と二人の体が揺れた
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