過去ログ - さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」
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746: ◆G2uuPnv9Q.[sage saga]
2012/06/11(月) 20:19:00.08 ID:44GbrwKs0
アイリン「…」

「俺の人生を動かしたのは運命の歯車ではなく俺の腕力ってことだ、そいつは俺が選んだ道だ、憐れまれるなんて侮辱だね」

アイリン「…そうね、ごめんなさい」

「…」

じーっと、男がアイリンの顔を見つめる

こんな汚い話をして、怯えなかった女性は彼女が初めてだった

「…お前、肝が据わってるな、いい女だよ」

アイリン「…そう?」

「…手放すには惜しいが、手に入れるには勿体ないや」

しっし、と手で払うようにして男が笑う

下品な笑みで、しかしどこか子供の様に純粋なものだ

「行きな、もうアンタ達は俺みたいな化け物と一緒にいなくていい」

ジョン「…行こう、姉ちゃん」

アイリン「…」

もう一度、アイリンが男にキスをする

「…」

アイリン「さようなら…ね」

「…あーそうだね、さようならだ」

くるりと振り返った二人が、走り出す

もう会うことはないだろう、その二人を男はしばしじーっと見つめていた

そして気づいたのは、その二人の体に、何か赤い点が浮かんでいることだ

ジョンの頭に、アイリンの背中に、赤い点が

それは、まるで、銃の照準の様な


「あーあ」



グラリ、と二人の体が揺れた






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