過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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281:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/29(金) 21:03:06.64 ID:0s0AWUMAO
〜2〜

ぶごご……ぶごごごごご……

麦野「………………」

禁書目録「………………」

麦野「イーンデックスー?」

禁書目録「……なあに?」

麦野「これさ、掛け布団敷き布団合わせて何枚入れた?」

禁書目録「三組六枚なんだよ」

麦野「………………」

禁書目録「………………」

麦野「ブ・チ」

禁書目録「待っ、待って!!話せばわかるんだよ!!?」

末魔を迎えた巨蟹のように白い泡を噴き出し黒い煙を吹き上げる学園都市製AI搭載型最新鋭全自動洗濯機を前に――
佇むインデックスの傍らにしゃがみこむ麦野が発そうとしたブチコロシかくてい宣言を遮ってインデックスが叫んだ。
さながら被告人と弁護人を両立させたテッド・バンディのように。

禁書目録「お布団丸洗いOKって書いてたんだよ?えーあいもとうまがセットして行ったから大丈夫なはずなんだよ!?」

麦野「おいおい。大丈夫じゃないのはそのネジの緩んだ頭じゃない?十万三千冊も頭に本詰まってんなら“加減”の文字くらい入ってんでしょうが!!」

御覧の有り様である。許容量などとうに越えている仕事量を任された洗濯機はもはや過労死寸前である。
パンクするしない以前にどうやったらドアがロックされたのかが不思議なくらいの量である。
これにはさすがの麦野もげんなりして額に指先を置いてかぶりを振る。
それはインデックスの失敗というより任せた自分に責任があるのだと言う歎息ぶりで。

禁書目録「うう、何回も洗ったり干したりするの面倒臭くてついいっぺんにしちゃったんだよ……」シュン

麦野「(……やれやれ)」

むくれるインデックスの横顔を見やりながら麦野は落ちて来た髪を耳にかけながら仕方無いかと妥協した。
アイテムを率いていた頃の完璧主義と結果重視が全ての事柄において実を結ぶとは限らない事を麦野はこの数ヶ月で知った。
花開く前に摘んでしまうより、伸びた芽を育ててやるのも悪くはないかと

麦野「まあいいわ。今度から量に気をつける事」

禁書目録「はーい……」

麦野「――お茶でも淹れようか、頑張ったしね」

禁書目録「ほんとっ!?」

麦野「(現金なヤツ)」

何かに対して我を忘れるほど怒り狂うそれが、いつしか些細な過ちならば許せるまでになった自分のように。

上条家に根を下ろすようになった自分を見るように――




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