過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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53:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/10(日) 12:59:13.16 ID:U58nKrMAO
〜20〜

御坂「――あの写真みたいに」

麦野「?」

御坂「あんた、本当はあの写真みたいに笑える人間なんだからさ、もっと自分出してもいいと思う」

麦野「――――――」

御坂「だってもったいないじゃない!せっかく美人なんだから」

二人は秤に乗せられた、全く同等の重さを持つ灰とダイヤモンドだった。
一握の死灰と、一個の金剛石。そして二人は同じ場所に立っていたとしても違うものを見るだろう。
同じ牢獄に囚われたとしても、恐らくは鉄格子から覗くものからして違う。
御坂は夜空に星を見上げる人間であり、麦野は夜闇の泥を見下ろす人間と言った具合に。

麦野「――五月蝿えなあ。言われなくたって知ってるわよ」

御坂「?」

麦野「私がイイ女だって事くらい」

御坂「ナルシスト!」

麦野「ナルシストじゃない女なんていないわよ。自惚れ屋じゃない男なんていないようにね」

水と油を何年何十年と攪拌し続けても混ざり合わないように。
同じ液体でありながら性質からして異なるように、二人は違っているのだ。

麦野「ちっ……わかったわよ。行けばいいんでしょ行けば」

御坂「!」

麦野「行かなきゃ行くまでテメエの話相手させられるくらいなら、ヘタなポーカーやってる方がまだしもマシってなだけ」

そう言い捨てて麦野は御坂の横をすり抜ける。どうせ焼き上がるまでの短い時間の間だけ、と言い残して。

御坂「じゃあ私とやらない?私強いわよ」

麦野「――好きにすれば?」

御坂「了解っ。そこの二人ー!終わったらカード貸して!」

上条「いいぞー。よしインデックス、上条さんはツーペアだ!」

禁書目録「うーん、うーん、どうかな??」

そして御坂が呼び掛けた先では、青髪と雲川を下した上条とインデックスの一騎打ちが終わろうとしていた。
上条の手役はスペードとクローバーのAと8のツーペア。
インデックスはハートのK、Q、J、A、そしてジョーカーとロイヤルストレートフラッシュには至らなかった。

雲川「Deadman’s hand……」

上条「へ?」

雲川「それ、死者の手だけど。ものすごく不吉な役なんだけど」

上条「げっ」

青髪「(――カミやんらしいなあ)」

もしこの場に運命論者がいたならば、この不吉極まりない上条の手とインデックスの手に何かしらの意味を見いだしたかも知れない。
この科学の街、学園都市にあって非科学的な予兆を。


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