過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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848:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/09/17(土) 21:15:15.39 ID:W55C2CfAO
〜12〜

浜面『同じったって……滝壺はレベル4でアイテムの構成員で、俺はしがないレベル0で下部組織の下っ端だぜ?』

滝壺『でも、同じ人間だよ?』

浜面『……同じ』

滝壺『同じだよ。私はそれを見てきてるから』

浜面『見て来た?』

滝壺『――むぎのと、かみじょうを』

浜面『(また“麦野”か……)』

『むぎの』というその名はこのアイテムの面々にとって、浜面にとって『駒場利徳』のようには感じられた。
そしてバンは幹線道路を抜け、ゲートを抜けて第七学区へと入る。
数日前となんら変わらぬ街の風景が、何故だか違ってみえる。
それは心境の変化以上に浜面の『目』と『芽』が開いたからなのだが――

滝壺『むぎのはレベル5で、かみじょうはレベル0だった』

浜面『(俺が戦ったあのバケモノみたいな魔女も確かそうだったかな……たしか“しずり”とか呼ばれてたか)』

滝壺『――むぎのは最初、かみじょうを学園都市のゴミとかレベル0のクズとか無能力者のカスだとか……そんな風に言ってた』

浜面『……そうだろうな。俺もそう言われてきたし俺達はみんなそう言われて来た』

滝壺『……むぎのは、かみじょうを殺そうとしたの。生きたまま電子炉に入れてやるって』

浜面『!!?』

滝壺『私はそれがとっても怖くて、すごく悲しかった』

あのウニ頭はなんて名前だったんだろう?と過ぎらせた思いを凍てつかせるような……
滝壺が発した不吉な単語にあわやハンドルを切り損ねそうになる。
それを淡々と語る少女の透徹さに、改めて自分はガールズサークルの使い走りでない事を思い知らされる。

滝壺『でも、むぎのはかみじょうを殺せなかった』

浜面『……そりゃまたなんで?』

滝壺『レベル0のかみじょうが、レベル5のむぎのの命を助けたから』

浜面『……――!?』

滝壺『“善悪とか敵味方とかレベルなんて関係ない”って……三回も殺し合いをして二度死にかけて、それでもかみじょうは“化け物”って人から言われたり“怪物”って自分で言ってたむぎのを“人間”に戻してくれたの』

煙草の先端に溜まっていた灰がペダルを踏む浜面の膝の上に落ちる。
一瞬よぎったまさかという予想、馬鹿なと頭から追い出す想像。
ありえない。出来すぎている。そんな三文小説の筋書きのような巡り合わせなどありえないと。




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