過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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892:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/09/25(日) 15:05:08.31 ID:LC5MmfkAO
〜3〜

フレンダ『……私さ』

浜面『?』

フレンダ『暗部で長い事してて、死ぬのが怖くてやってられるかって訳だけど……なんかこうしてると結局、まだ生きたいとか思う訳よ』

フレンダは小型クローゼットほどあるピンセットを運び出す下部組織の人間らを横目に訥々と語る。
それはフレンダの行動原理の一つ、『死にたくない』という意識。

フレンダ『標的の人生なんてどうでもいいし?まあ止めを刺す時の命を摘むまさにその瞬間……相手の運命を支配した気分、コイツは私に殺されるために生まれて来たんだって言う快楽は別に嫌いじゃない訳』

そんなフレンダの独白を浜面は着込んだ駆動鎧にメタルイーターM5を担いで見つめる。
やっぱり危ないヤツだなコイツらと思う反面、やはりフレンダが一番人間臭く、俗っぽいなとも。

フレンダ『けど――私には身内がいる。でも私は自分が一番可愛い訳よ。まだ死にたくないし、誰よりも長く生きたい。あんた達だって結局そうでしょ?』

浜面『――……まあな』

絹旗『命以外何もかも失った超クソッタレな人生ですが、それさえ無くしてたら超意味ありませんからね』

浜面は路地裏の青春から、絹旗は元いた居場所から、フレンダは家族から引き離された。
しかし浜面は滝壺、絹旗は受け継いだアイテム、フレンダにはフレメアが……生きる意味と死ねない理由がある。

フレンダ『――生きよう。結局、どんな人生だろうと命がなくちゃ何も変えられない訳よ』

絹旗『そう言えば超約束しましたもんね、一緒に遊園地行きましょうって』

浜面『俺もだ。こんな所じゃ死ねねえよ。カッコ良い死に方選べるほど真面目に生きてないし』

フレンダが手の甲を上に差し出し、そこへ絹旗が掌を重ね、更に浜面のグローブが包み込んだ。

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!

フレンダ『……絹旗(リーダー)、命令を』

絹旗『――決まってます。誰も超欠ける事なく終わらせます』

浜面『楽勝だ、リーダー(絹旗)』

施設を揺るがす爆破衝撃の中、三人の重なった手が応、という掛け声と共に離れて行く。

絹旗・フレンダ・浜面『――――――』

各々が選んだ戦場を背に、戦う理由を胸に、少年少女らは駆け出して行く。

絹旗『来ますよ!』

帰る場所と

浜面『行くぞ!!』

そこで待つ者と

フレンダ『出るわよ!!!』

今を生きる自分達のために




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