過去ログ - 新・学園都市第二世代物語
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737:LX[saga sage]
2012/05/27(日) 19:41:56.43 ID:IGkAb8mz0

「ごめん、初春さん、このデータってどこまで遡れるのかしら?」

言葉こそ丁寧だが、氷のような冷たい響きのこもる美琴の口調に、初春は自分の想像がそう外れていないことを確信した。

(うわぁー、これ、絶対浮気調査ですよぅ……、でも、あの上条さんって、そんな風に見えないんだけどな……

でも、これって、上条さん、御坂さんを裏切ってるってことなんでしょうか? )

「どう、初春さん!?」

鋭くせかすような美琴の言葉に、初春は我に返った。

「へ? あ、す、すいません! えっと、と、とりあえず2週間ぶんは直ぐに出ますけど、それ以上はこの端末ではちょっと……」

彼女は体中の毛が逆立つようなピリピリした空気に圧倒され、どもってしまう。

「ごめん、そんなんじゃないから、心配しないでいいの。怖がらせてごめんね。じゃ、ちょっと2週間のうち、アイツが前にもここに来てたか見てくれる?」

(そんなんじゃない、って、もろにそれですって、それ以外のなにものでもないですってば!)

心の中で初春は突っ込みを入れながらも手は素早くデータを入力してゆく。

「……2回、ですね、今回も入れて……」

「同じところね……わかったわ」

「えっと、それじゃぁ、もう一人ですね、誰ですか?」

「ああ……ううん、大丈夫。アイツの行動だけでもう全部わかったから、もうOKよ。ありがとう」

「そうですか……じゃ、切りますね」

「そうだ。あのね、初春さん?」

「なんですか?」

「私、これからちょっと外に出るから、外出届、受けてくれないかしら?」

「……はい?」

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「あ、あの、くれぐれも、その、問題行動は慎んで下さいねっ!」

「あはは、そうだ、貴女、アンチスキルだものね。ハイハイ、わかりましたって……大丈夫よ。そんな顔しないで? じゃねー」

美琴は、初春のハリアーから降りると運転席の初春飾利に明るく声を掛けて、すたすたとゲートに向かって歩いていく。

初春は、寄らば切るぞ、とでも言いだしそうな美琴の後ろ姿を不安そうな顔で見送っていた。

彼女は、目が笑っていなかった美琴の顔が忘れられなかった。

警告はしてみたものの、何の役にもたたないであろうことは火を見るより明らかだった。

「絶対、修羅場ですよね……どうしよう……」



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