764:LX[saga sage]
2012/06/08(金) 00:39:50.78 ID:anln+97A0
やはり来たか、と美琴は身構える。
「なんで、そんなことをあんたたちに言わなければいけないのよ?」
眉をひそめて美琴は突っぱねるが、二人のクローンは意にも介さない。
「お姉様<オリジナル>の問題は、我々妹達<シスターズ>の問題でもあります。
しかも今回は、噂の内容がお姉様<オリジナル>の今後の人生に多大な影響を与えるであろうことが予想できます。
これは我々妹達<シスターズ>にとって、見過ごす事は出来ません」
冷静な物言いで検体番号13577号が答えてくる。
「うるさいわね、心配してくれなくて結構よ。ほっといてよ」
「否定なさらないのですね?」
痛いところを検体番号19090号が突っ込んでくる。
「……」
「そうですか、何があったかはお聞き致しません。失礼致しました」
検体番号13577号が丁重に答え頭を下げた直後、今度は検体番号19090号が思いもかけないことを言い出した。
「お姉様<オリジナル>、今のお話から私たち妹達<シスターズ>に、新たなひとつの目標が正式に出来たことを御報告致します」
「……なによ、それ?」
美琴は嫌な予感がした。虫の知らせ、というやつだろうか?
なんだかわからないが、この子がこれから言い出すことは、とんでもないことなのだと……
にっこりと笑う検体番号13577号と19090号の二人。
美琴はその笑顔が恐ろしく不気味だった。
その彼女を見つめながら検体番号13577号が口を開く。
「はい、お姉様<オリジナル>があの方との結婚を取りやめられたことにより、我々妹達<シスターズ>にチャンスが生まれました」
「……??!! ちょ……っ!?」
そう?
ええっ?
それってまさか……この子たち……?
しまった! 迂闊だった!!
あの子や10039号だけじゃなかった……
美琴の脳裏に浮かんだのは、遠い異国、ロシアの雪原で出会った検体番号10777号。
あの子もそうだった……
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