82:LX[saga sage]
2011/07/31(日) 19:57:18.10 ID:NaSgzSeX0
会議室のような小部屋に、ぼくたちと木山先生は入った。
「じゃぁまず、きみの名前と誕生日を教えてくれるかな?」
パソコンじゃないけれど、ノートでもないものを膝に載せて、足を組んだ木山先生が、優しい顔でぼくに聞いてきた。
「はい。御坂一麻(みさか かずま)です。XX年XX月X日、11歳です」
ペンでノートみたいなものに書き込んでいた木山先生が、「ん?」という顔でぼくを見る。
なんだろう?
「……みさか、くんか…… すまないな、ちょっと立ち入ったことを聞くが、もしかして君は、あの御坂美琴さんの御親戚かな?」
「ぼくのおばさんです。知ってるんですか?」
おばちゃんを知っているんだろうか? すごいな、やっぱり有名人なんだ、おばちゃんは。
「ああ、彼女がまだ中学生の頃からね……随分昔のことだ。そうか、彼女は君のおばさんになるのか……
わたしも歳を取ったものだ、と思ってしまうな。ふふ」
そういうと、先生はぼくの顔をしげしげと見つめてきた。
先生とはいえ、初めて会った女の人から見つめられるのはすごい恥ずかしい。
「な、なんですか?」
「いや、なるほど。どこか彼女の面影があるような気がするな。きみはお母さん似なのだろう?」
「いやぁ、こいつ、ぼくに似ないで良かったですよ、あはははは」
突然お父さんがおかしな事を言い出した。
なんだよぅ?
「きみは……上条さん、と言ったね? 失礼かとは思うが、きみはこの子の父親なのか? それにしては名字が違うようだが」
ああ、やっぱり聞かれちゃった。全く、お父さんがヘンなこと言うからだよ!
ぼくは、(全くもう!)という顔で、お父さんを睨んだ。
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