過去ログ - 新・学園都市第二世代物語
1- 20
829:LX[saga sage]
2012/08/19(日) 21:17:35.47 ID:4tGOQ92R0

「ふ……私が気持ちの良い散歩道に変えてみせるわよ」

不敵に笑う美琴を、土御門は難しい顔で見つめる。

「で、妹達<シスターズ>に、そう言うのか?」

「は? そんなことをあの子達に言ってどうするのよ? あの子達に余計な負担をかけるのはやめて。私はそんなことは望んでない。

私はね、あの子たちには、もう二度と悲惨な目にあってほしくないの……いいえ、絶対にさせない、させるもんですか」

「上条当麻を取られても、か?」

美琴の目がつり上がる。

「誰がそんなことを? あのバカが、アンタに?」

「まさか! カミやんは一言もそんなことは言ってない。これは信じてくれ」

美琴の剣幕に驚いた土御門は、即座に否定した。その様子から、当麻がしゃべったわけではなさそうだ、と美琴は見当を付けた。

「じゃぁ、どこからアンタ、そんな噂聞いたのよ?」

どこから情報が漏れたのか、ヒントが掴めるかも知れない、と美琴は土御門を攻めにかかる、が。

「噂は本当なのか?」 

土御門は逆質問でかわしにかかる。

「ふん、言いたいヤツには言わせとけばいいのよ、そんなことは」

やっぱりダメだったか、と美琴は諦めた。この男が、学園都市の人間が、そんな簡単に情報ソースを明かす訳がないのだ、と。

「いや、すまなかった。余計なことを聞いてしまったようだ……。

さて、本題だ。妹達<シスターズ>を穏便にここから退去させるには、お前に一肌脱いでもらわねばならないが、それは理解してくれてるな?」

「当然でしょう? 何の為に、私がここに来たと思うの?」

「そうだな。愚問だったか」

「私はね、腹をくくったのよ。それだけのことよ」

「そうか。ならいい」

美琴が立ち上がると、土御門もそれに合わせて椅子から立ち上がる。

滑り止め効果の高い床材に椅子が引っかかり、ギギッという音を立てた。

「私が引き起こしたことだから、私がケリをつけるわ。それが一番無理のない方法だから」

「すまなかったな。話は終わりだ……彼女を戻してくれ!」

土御門がそう言った瞬間、冷たい微笑を浮かべた美琴は小さく言葉を続けた。

「たとえそれが、形だけでも、ね?」



美琴の姿は、会議室からふいに消えた。

テレポートされる直前に、彼女には(えっ?)と言う顔の土御門の顔が、一瞬だけ見えたような気がした。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1293.21 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice