846:LX[sage saga ]
2012/08/26(日) 22:08:18.32 ID:s3IR9i8w0
結局美琴は未来にかき口説かれ、学園都市に来たミサカ達全員に名前をつけることになった。もちろん、上条当麻も同席である。
その際に役に立ったのは、他ならぬ御坂未来の名前を考えた時の、黄泉川愛穂/芳川桔梗合作(実際には芳川の単独製作であったが)のプログラムであった。
基本的に、美琴の「美」と「琴」を使い、最初は二文字、そして三文字とした。
当然足らないので、最後の方ではひらがなとカタカナで「み」「ミ」と「こと」「コト」を使った名前も入れた。
美琴は、生まれて初めて漢字の存在に感謝した。
今、学園都市に来ている人数の倍くらい、3000人の名前は何とか作り出せたからである。
しかし、生き残っているミサカたち妹達<シスターズ>はまだあと7000人いるのである。
いずれ、今回参加出来なかった妹達<シスターズ>のうち、かなりの人数は、学園都市に行くとお姉様<オリジナル>から名前がもらえる、となればここへ押し寄せてくると思われた。
その彼女らに付ける名前をどうするか。「美」「琴」に関係ない名前をつけるしかないのだが、これは宿題という形にしておいた。
それから、予想されたことだが、このイベントでもすったもんだが生じた。
まずひとつが、場所。
そもそも国際展示場は、笠原真彩-統括理事会広報委員会のつてにより強引に借りたものであった(幸い、奇跡的に空いていた)が、さすがに今度は不可能であった。
第二に、警備。
むしろ問題はこちらだった。
御坂美琴そっくりのクローンが、いかに変装しようが、1600人もいるのでは完全に外部との接触を絶つことは不可能に近かった。
しかも、あちこちに散らばっているのならまだしも、一箇所に1600人が集まるというのではそれは不可能である。
第七学区の大運動場が空いていたが、外から丸見えなこと、警備が難しいことでハネられた。
八方塞の美琴への助け舟は、上条当麻からもたらされた。
上条当麻→土御門元春→雲川芹亜のルートで、今度は外交委員会のつてで借りることが出来たそこは第一学区、国際大会議場であった。
確かに、そうめったに使われるものではなく、バスで入ってしまえばそこは安全であった。
場所を聞いた美琴は最初安堵し、そして不機嫌になった。
どう考えても、その場所を押さえるには、あの雲川芹亜(おんな)が一枚咬んだとしか思えなかったからだ。
当麻は土御門の力だよと笑って誤魔化していたが、美琴は雲川芹亜の存在を忘れていなかった。
自分の婚約者に手を出しかねない女に借りを作ることがどれほど危険なことか、美琴が神経質になるのは当然であった。
当麻と結ばれた今、あの時とは状況が違う。更に二人は1万人の妹達<シスターズ>に対して「結婚する」と宣言してしまっているのだ。
彼女に対して、美琴は一歩も引く気はなかった。
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