過去ログ - 新・学園都市第二世代物語
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847:LX[sage saga ]
2012/08/26(日) 22:22:24.63 ID:s3IR9i8w0

幸いなことに? 雲川芹亜も、そして笠原真彩の姿は今回もなく、美琴は人知れずほっと安心したのは内緒である。

そんなこととは露知らず、妹達<シスターズ>と美琴、当麻との対面は始まった。

なんせ1600名である。1人ずつやっていたのでは1人にわずか1分充てたとしても1600分、飯抜きでぶっ通しでやっても27時間ほどかかる計算になる。

これではどうしようもないので、番号順に20名ごとに纏め、各組5分を持ち時間として、名前の発表、メンバーとの記念写真、という、ひたすら数をこなすだけ、味気ない機械的流れ作業のような具合になってしまった。

学園都市在住の3人(10032号は不在なので最初から外されていた)は、別に今日でなくてもかまわない、ということで彼女らはサポート役にまわっていた。

報酬の見返りに、彼女ら三人は先に自分の名前を選んで良いという条件を出したので、三人は皆二つ返事で即座に同意したのである。

名前の発表についても、いちいちミサカ一人一人にどの名前が良いかを訊ねる時間はないので、頭から順番に当てはめてゆくことにしてしまった。

「お姉様<オリジナル>が付けて下さるのでしたら、ミサカ達に異論はありません」と未来が言い切ったからである。

そんなものなのかな、と美琴も当麻も若干の疑問を抱いたものの、彼女の言を却下出来るほどの名案もなく、上位個体である御坂未来を信用することにした。



最初のうちは、妹達<シスターズ>も節度を持っておとなしく流れていっていた。

しかし、午後に入り、長く待たされていた妹達<シスターズ>の中で、ストレスを溜め込んでいたのだろう、二人のミサカが我慢の限界を超えたのか、当麻に過激なアプローチで迫ったのだった。

その一人は当麻にしがみつき、彼の唇を奪って逃げた。

驚き騒ぐ他の妹達<シスターズ>の隙をついて、もう一人のミサカはハーフコートを脱ぎ捨てると、その下は素裸であった。

呆然とする当麻の頭を抑えたそのミサカは、自分の胸に彼の顔を思い切り押し付け、何がなんだかわからぬ彼にやはりキスすると、コートをすばやく拾い上げ、逃げにかかったところで……美琴の電撃を浴びてのびてしまった。

「 ちょっと!? 」
「 え? 検体番号20000号!? 」
「 なんであなたがここに? 」
「 ひどい! 」
「 この! 」
「 ミサカ、そんなことしてないのに!」
「 ずっるーい! 」
「 それなら私だって! 」
「 あ、こら、この泥棒ネコ! 」

歯止めがなくなった妹達<シスターズ>が当麻にいっせいに襲い掛かる。

「ちょ、ちょっと待ってくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

天井の高い国際会議場に、妹達<シスターズ>の叫び声に混じって当麻の悲鳴が響く。

「アンタら!! いい加減にしなさい!!なにやってんのよ!」

美琴が叫ぶがもはやなんの抑止にもならない。

もみくちゃになっている当麻はもはや声も聞こえない。



     「全員!! 起立!!」



甲高い一声が響くと、

1600名のミサカ全員が、

ピシッと直立不動の姿勢を取り、

嬌声が渦巻いていた会議場は、うそのように静まり返った。

「皆、頭を冷やしなさい! 恥ずかしいと思わないの?」

御坂未来、打ち止め<ラストオーダー>と言われ、妹達<シスターズ>を統率するために作られた特別なミサカ、検体番号20001号が、その役目を果たした瞬間だった。



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