929:LX[saga sage]
2012/12/02(日) 18:56:35.01 ID:fLg29DFl0
「私の大事な妹に甥っ子、それにあのバカッタレにずいぶんな事してくれたじゃないの?」
バリバリという轟音とともに、駐車場内に放電が飛び交い、明かりが消えた。
「わはっ」
「ひえっ」
男達が悲鳴を上げて逃げまどう。
「お、おまえ?」
「まさか」
「これって、ホンモノの、超……電磁砲?」
「ええっ? なんでだよ? 超電磁砲<レールガン>はそこに寝てるんじゃねーのかよ?」
「はぁぁぁぁぁぁ? 何それ?? ははーん、そうか、やっぱり。あんたら、もしかして私と間違った?」
難を逃れた非常灯がいくつか頼りない光を放つだけの薄暗い駐車場の中を、バリッ、バリッとあたりに不規則に放電しながら歩いて来るものがいた。
ツンとするイオンの臭いがあたりに漂わせ、やってきた声の主こそ、御坂美琴。
学園都市レベル5の第二位、またの名を超電磁砲<レールガン>。
「間違った、って?」
「うそだろ、おい?」
「じゃ、この女誰だよ?」
「おいおい、じゃこのガキも?」
おののく男達に向かってゆっくりと美琴は近づいて行く、指先と髪から放電しながら。
「あのねぇ、あの子はね、私の妹よ。ほんんんんっとに、あんたら、馬鹿なの? 死ぬの? ほんと、いっぺん死んだほうがいいわね?
私はね、確かに結婚は決めたけど、まだ子供なんか産んでないわよっ? ホントに失礼しちゃうわね!」
「妹?」
「聞いてねぇぞ」
「なんだよそれ、じゃ俺ら、まるで馬鹿じゃん!」
「誰だよ、こんな話持ちかけてきたの? ざけんじゃねーよ!!」
口々に叫ぶ男達をあきれたように見つめる美琴。
「だからねぇ、さっきから言ってるでしょ、馬鹿って? 私、今ね、もーのすごく機嫌悪いからね」
彼女が右手を振り上げると、地響きとともに瓦礫があたりにぶちまけられ、その土埃の中から2本の鉄骨が床をぶち破って駐車場に飛び上がる。
「覚悟しなさいよね? そうそう、遺産分配やってある? 一応聞いておいてあげるから」
ぶぅんぶぅんと風を切って、巨大な鉄骨が宙を舞い始める。
「ごめんなさいぃぃぃぃ!!!」
「許してぇぇぇぇぇ!」
「助けてくれぇぇぇぇぇ!!」
絶叫をあげ、ペタリと座り込む男たち。
「だーめ。許さないから。赤ん坊を誘拐するなんてさ、人間として下の下だから!」
美琴の目がつり上がる。
その瞬間、
「美琴、止めろ、止めるんだ」 上条当麻が、
「おっしゃぁ、赤ちゃんは確保したぜい!」 土御門元春が突入してきたのだった。
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