過去ログ - 新・学園都市第二世代物語
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935:LX[saga sage]
2012/12/02(日) 19:36:08.75 ID:fLg29DFl0

当麻の寮。

美琴の香水の残り香に包まれたまま、一人、当麻は天井を見つめていた。



実は当麻は土御門から驚くべき報告を聞いていた。

今回の一麻の誘拐事件では、犯人たちの打診に対してオファーを返した相手が少なくとも30件以上あったことが判明した。

ところが、その中の半分以上がアンチスキルの捜索でも正体が掴めなかったというのだ。

「カミやん、すまなかった。半分もしっぽを掴めなかった。

まだこんなことやる連中が残ってた事に気が付いてなかったのは失敗だった。

超電磁砲<レールガン>のあの子と結婚するんなら、産まれてくる子供には十分気を付けたほうがいい」

申し訳なさそうな顔で、彼はそう謝ったのだった。

改めて彼は、「御坂美琴」という存在の大きさに感嘆していた。

(気を付けろ、って言ったって……どうすりゃいいんだよ……?

美琴に三足のわらじを履かせて、そして子供も面倒見ろって? そりゃあんまりだ、無理だ。

実際問題、あいつの方が、俺より遙かに忙しいんだから……いや、いっそ子供が出来たら、俺が主夫やった方がうまくいくんじゃないか?

外交官の仕事って言っても、今は落ち着いているし、無理して体面を取り繕わなくてもいいじゃないか?

必要な時にだけ出て行けば済むことなんじゃないか?

いや、そんな都合良く物事が進めばいいけど、美琴が海外出張して、俺もまた出かけなければならなくなった時、子供の安全は誰が?)

(レベル5の御坂美琴、その血をひく子供ってのが裏の世界でも人気があるってことがよくわかったぜよ……どうするカミやん?)

いつになく真剣な顔の土御門元春の言葉が甦る。



ふいに、当麻の頭に閃くことがあった。



だが、彼は直ぐにその考えを打ち消した。

ふと隣を見て、彼は身体を起こす。

……さっきまで傍に寄り添っていた美琴を思い出し、僅かに湿ったふとんに手を置く。

もうそこは冷たい。

再び彼は仰向けに寝転がり、天井を見る。

「そんなことは、出来ねぇ、無理だよ」

独り言を彼はつぶやく。

「そんな、残酷なこと、出来るかよ……」



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