過去ログ - まどか「わたしが、わたしたちが、魔法少女だ」
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67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]
2011/09/29(木) 01:40:41.60 ID:1edZVWsS0
かずみ「・・・?あ、そうださやか!はい、これ!」

さやか「ん?」

かずみ「ぷれぜんとふぉーゆー!」

 そう言ってかずみは小さなピンクの紙袋を右手に持って、さやかに差し出した。

さやか「・・・ぉう。さんきゅー」

 さやかがそれを受け取ると、かずみは笑顔で言った。

かずみ「ゆあうぇるかむ!」

 そうして、二人は拙い英会話を交わすと、思いのまま笑った。

さやか「へったくそな英語ー」

かずみ「あははー」

さやか「開けて良い?」

かずみ「うん、どうぞ」

 さやかは丁寧に紙袋を開けて、中身を取り出した。

さやか「・・・あ」

かずみ「結局、そっちにしたんだ。さやかへのプレゼントなのに、わたしが押し付けるのも変だしね」

 そういってかずみは苦笑した。さやかは、かずみとピンク色のリボンを交互に見渡して、かずみに言った。

さやか「・・・ありがとう」

かずみ「ううん!こちらこそ、ありがとう、さやか!」

 さやかは微笑んで、リボンを握った。

かずみ「ところでさやか」

さやか「ん、何?」

かずみ「さっき、なんか言いかけてたよね。『きょ』って」

さやか「ん、あぁ、まぁ」

かずみ「誰かの名前ぽかったけど・・・友達?」

さやか「と、友達!?だ、誰があんな奴と!!」

かずみ「・・・違うの?」

さやか「当たり前だっつーの!あいつ、ええと、佐倉杏子って言うんだけど、あいつとあたしは友達でもなんでもない!ただの同業者よ、同業者!しつっこくて鬱陶しくて凶暴な、そんな厄介な魔法少女なのよ、そいつは!」

かずみ「ふぅん・・・そっかぁ」

さやか「あんな奴と友達になれる奴が居たら、是非紹介してほしいくらいよ・・・どんだけ心が広い変態なのか、是非拝みたいもんだわね・・・」

 かずみの言動に、一抹の憂いを覚えたものの、それを忘れる程に鬱積していた佐倉杏子への憤懣を吐露するばかり、さやかは、対して沈み、冷静な態度を取るかずみに気が付かなかった。

かずみ「・・・会わせてくれないかな、その人に」

さやか「・・・あいつに?会ったってどうしようもないから・・・」

かずみ「佐倉杏子って人に会わせてよ。ね?お願い、さやか」

 深く、落ち込んだ眼差しのかずみ。ふと、思い出されるのはこのかずみという少女の生い立ち・・・さやかはようやく、自分がどれだけの事をしでかしたのかに気が付いた。

さやか「・・・うん、良い、けど・・・」

 それが正しい。

かずみ「ありがとう、さやか。それじゃぁ、今からお願い出来るかな?」

さやか「・・・うん、解かった」

 ・・・これで良い。これが、一番正しい選択なのだから。


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