29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/07/19(火) 13:40:31.12 ID:voLLPpMAO
ポケットから出てきたのは一本のオイルライター。
小気味の良い金属音と同時に小さな日が赤々と点る。
「躾がなってない動物には痛みを以て教えてやらないとな」
鋼介が何をやろうとしているのか悟った剃り込みはじたばた暴れ出した。
だが折れた右腕の痛みが邪魔をして、鋼介を押し返すには至らない。
炎が男の耳元に近付き、そして……。
「……っ! ……っ!!」
叫びを上げる前に口を手で塞がれる。
小さな日は男の耳を容赦無く炙り、焦がしていった。
「あっははははは!! はははっ! ははははははっ!」
ステレオタイプのように鋼介は笑う。絶え間なく、抑揚をつけず、そこに意志すら無いかのように。
唐木やクラスメイトに対する理不尽な暴力など、今の鋼介の所業と較べれば霞んでしまうだろう。
常人より沸点が低い鋼介には更に上にもう一つの沸点が有った。
そこは何人足りとも触れてはいけない領域であり、何人足りとも見てはいけない領域だったのだ。
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