30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/07/19(火) 14:00:03.19 ID:voLLPpMAO
「へぇ、君結構強いんだね」
甘ったるい声が鋼介の背後で響いた。
鋼介は笑うのを止め、既に意識を手放した剃り込みの男を開放して立ち上がる。
「……三秒以内に失せろ。ハイになった僕は女子供でも容赦しないぞ?」
「あはっ、良いねそれ。私より強い人に目茶苦茶にされるなんて、考えただけで疼いちゃうっ」
とんだ淫乱だ。鋼介は心中で呟く。
顔を拝んでやろうと振り返り、そして鋼介は息を飲んだ。
「私の事目茶苦茶にシてくれるんなら、君にトッテオキノバイト紹介しちゃおっかなぁ」
全てが可憐だった。唇も鼻も漆黒の長髪も、手も足も眼球も毛根も心臓も。
何故か今の鋼介には全てが美しく思えた。
「五臓六腑を愛でてグチャグチャにしてやるよ。そして死ぬまで飼い慣らしてやる」
「最っ高! ちゃあんと死ぬまで付き合ってよね?」
少女は両腕で肩を抱き、恍惚とした表情を浮かべて身震いする。
全てを飲み込んでしまいそうな漆黒の髪を揺らし、光を宿さない黒曜石のような眼を鋼介に向けた。
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