過去ログ - 唯「あずにゃんが横浜のドラフト1位!?」憂「クライマックス!」
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127:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/26(火) 10:50:29.08 ID:3jt9zNrk0
翌日。
昼間の公園は夜と違って人が多かった。
親子連れ、子ども達の集団、休み時間をつぶすサラリーマン。

自分が何者であるかが知れたら面倒なことになるとは思っていたが、
かといって似合わぬサングラスをかけたり暑苦しいマスクをすることの方がよっぽど面倒だと思ったので、いつも通りのトレーニングウェア姿で散策している。

昨日グローブを見つけたあたりを見回してみると、一人の子供がうずくまっているのが見えた。
何かを抱きかかえるように、その小さな背中をますますこごめている。
4、5歳だろうか、後姿だけでは性別までは分からない。

いちごは気になって話しかけようとした。
けれど子供といえど全くの他人に声をかけるのに躊躇し、まごついているうちに、その子の方が先に振り向いてしまった。

「あっ、おねえちゃん!」

女の子だった。
大きく黒い瞳を爛々と光らせて、まっすぐいちごの顔を見つめている。
どうやらいちごのことを知っているようだった。

「やきゅうする人でしょ?おねえちゃん」

女の子は、あのグローブを大切そうに抱きかかえていた。
なるほど、どうやら野球好きの女の子のようだ。

いちごは少しほっとした。
あのグローブの持ち主としては、最も望ましい人物に思えた。
そして、この子と話したい、と思った。

「お嬢ちゃん、野球好きなの?」

いちごは出来る限り優しくほほ笑んだ。

「ううん、キライ!」

女の子の答えは明快だった。そしていちごの予想とは全然反対のものであった。



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