過去ログ - とある未来の通行止め
1- 20
16:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:41:09.77 ID:WdcBs0Va0
チャイムが鳴ると、すぐさま打ち止めは一方通行に駆け寄ってきた。

(だから走るなって…)

始業前に打ち止めに話しかけようとした女子生徒や、気に食わない数人の男子生徒が
彼女を引きとめる間もなく、輝く笑顔で自分に近づいてくる。
それだけなのに、一方通行の顔が元に戻る。
最初はあんなに居心地が悪かった周囲の視線も、なぜか今は胸のすく思いだ。

「ちゃんと来てくれたんだね、ってミサカはミサカは大感激っ」
「来ねェわけねェだろ。こンな恰好までさせといてよォ」

親しげに、穏やかに会話する二人を見て無人地帯を形成していた数人がまたも驚く。
打ち止めのクラスメイトたちは興味深々といった様子でこちらを窺っていた。

「どうだった?ミサカの雄姿は?こうして日々勉学に励んでいるのだよ、
ってミサカはミサカはあなたの感想が聞きたいな」
「ばァーか、なにが勉学だ。ありゃ授業ってよりも観光客向けのガイドみたいなモンだろ」

「あっははー、やっぱりあなたにはつまらなかったよね。でも外の人たちは
楽しんでくれたんじゃないかな?ってミサカはミサカはみんなのパパさんや
ママさんの様子を…ってあれ?」

打ち止めが周囲を見回すと、保護者たちがゾロゾロと教室から出ていく最中だった。

「あァ、確かこの後、進学説明会があるンだろ?それがメインだって芳川が言ってたな」
「そういえばそうだった。あ、ヨシカワからメールが来てる。
…もう会場の講堂に入ってるんだって。」

「ふゥン、だったら俺はもういいな。オマエはこの後どうするンだ?説明会に行くのか?」
「ううん。今日のは保護者向けだから、別に出なくてもいいんだよ。
午後からは部活か、帰宅してもいいんだって、ってミサカはミサカは
先生のセリフを思い出してきた」

自分たちの父親、母親が教室から出て行ったことで、それまで二人に注意を払っていなかった生徒たちも、残っている一方通行に好奇心を隠しきれない様子だ。
もちろん『気に入らない男子たち』も、こちらの会話に耳を傾けているのが分かる。

なぜそんな気が起きたのかは自身でも分からないが、
打ち止めのクラスメイトたちの注目を集めていることを理解すると
一方通行の心の内に妙な高翌揚感が生まれてくる。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/663.85 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice