4:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:06:50.59 ID:WdcBs0Va0
 「あらやっと起きたのね。愛穂はもう出たわよ。君もはやく食べて 
 真面目に授業を受けていらっしゃい」 
 「はい、ミサカの特製ブラックコーヒーです、ってまだ眠そうなあなたに 
 愛情たっぷりを進呈」 
  
 芳川と打ち止めに相槌をうちながら椅子に座る。打ち止めの「いただきまーす」 
 に消されそうになるが、一方通行も同じように呟いて用意された朝食を食べる。 
 二人より先に食べ終わっていた芳川が鞄を肩にかけて出勤の支度を整え、 
 玄関へと歩きなが二人に軽く手を振った。 
  
 「それじゃあ私も先に行くわね。今日は愛穂も私も遅くなるから、 
 夕飯は君たちだけで済ませてちょうだい」 
 「はーい、いってらっしゃいヨシカワ!」 
 「おォ」 
  
 見送りの挨拶と了承の返事を二文字で終わらせる一方通行。とはいえ、 
 彼の昔をよく知る者にしたら、これでも目を見張る光景だ。 
 彼らは家族同然として、こうして自然に毎日を送っている。 
  
 打ち止めは手早く片づけを済ませ、玄関で待っていた一方通行と共に外へ 
 出る。マンションから数分歩いたところで、それぞれの学校へ向かう別れ道となった。 
  
 「じゃあミサカもいってきます、ってミサカはミサカは一緒に登校できて嬉しかったな。 
 毎日こうならいいのに。あなたも気をつけていってらっしゃーい!」 
 「気をつけろ、は俺が言いたいセリフだクソガキ、じゃ後でな」 
  
 「また後で」という約束が、今は簡単に口にできる一方通行と打ち止め。 
 文字通り、血の滲む思いでそれを得たふたりの日常は今日も続いている。 
 毎日毎日、小さな変化、大きな変化を含みながら。 
  
  
  
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