5:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:09:38.93 ID:WdcBs0Va0
 一方通行は大学の講義一限だけ受けた後、リビングで大して興味もないテレビをぼんやりと 
 見ていた。ふと携帯に黄泉川から着信が入る。ソファに寝転がったまま通話ボタンを押す。 
  
 「なンだよ」 
 「あ、一歩通行今ウチにいるか!?」 
 「あァ、いるが。どォした?」 
 「洗濯物!雨!もうすぐに降ってきそうじゃん!」 
  
 あわてた黄泉川の声につられて外を見ると、確かに厚く黒い雲が立ちこめている。 
  
 「降りそうだな」 
 「なに落ち着いてるじゃんよ!すぐに取り込んでくれ。頼んだぞ!」 
  
 やらないと今日の晩ご飯は君だけ肉抜きにするからな、と脅されて、 
 一方通行は溜息をつきながらベランダへの窓を開けた。 
  
 外の空気は多分に湿気を含んでいて、とりあえず一番近くに干してあった自分のシャツから 
 無造作にカゴに放り込んでいった。 
 これで濡らしては、同居人からどんな嫌味を言われるか容易に想像がつく。 
  
 黄泉川が、まさか本当に肉抜きなどするとは思わないが、ここ数年で 
 自分でも驚くほどに丸くなったもんだと実感する。 
  
 (アイツらのために…ってほど大げさなことじゃねェが、俺が素直に洗濯物をなァ…) 
  
 ひょいひょいと作業を続けていた彼の手は、可愛らしいピンクの花柄と 
 レースで構成された「ソレ」を前に停止した。  
  
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