過去ログ - かがみ達は深い霧に囚われたようです
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295:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:01:45.65 ID:p9D9L+3go
ホテルを出てからここまでの間、二人のハイペースについていけるのは、あの頃の努力のおかげだろうか。
「なあメガネちゃん、そろそろ説明してくれよ」
「……はい、そうですね……ですが、何から説明しましょう……」
296:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:03:37.79 ID:p9D9L+3go
「ちょ、ちょい待ち! クールちゃんを助けるためってのはわかってるってば!」
私の冷たい視線を受けた彼女は、慌てて自己弁護を始める。
297:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:06:34.07 ID:p9D9L+3go
「……それが最大公約数だから、ですね……」
最大公約数ってなんだっけ?
とでも言うような日下部の顔を見てか見ずしてか、みゆきが説明を続ける。
298:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:09:50.14 ID:p9D9L+3go
たしかに、現状が私達にできることのベストなのだろう。
それだけに、歯痒かった。
312号室を見れば、『あいつ』の身体能力が私達より高いのは明白だ。
当然『あいつ』は私達より早く学校に着くだろう。
299:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:13:21.95 ID:p9D9L+3go
「……なあ! これじゃねえか?」
先頭を走っていた日下部が不意に声を張り上げた。
300:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:16:09.23 ID:p9D9L+3go
門を目の前にして、足が止まる。
一秒ですら惜しいというのに、境界を越える一歩が踏み出せない。
それほどに、その空間は異様な空気を孕んでいた。
301:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:19:46.73 ID:p9D9L+3go
指先に走った電流が私を霧の中へ引き戻した。
「……行こうぜ」
302:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:22:22.93 ID:p9D9L+3go
私達は、肩を並べて一歩を踏み出した。
門を踏み越えて学校の敷地内に入ったところで、世界が変わるわけでもない。
はずなのに。
303:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:25:19.47 ID:p9D9L+3go
「こう広くちゃ、骨が折れそーだな」
ぽつりと日下部がつぶやく。
たしかに、この霧の中では校庭を一回り探すだけでも相当に時間を喰いそうだ。
304:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:27:06.33 ID:p9D9L+3go
(見捨てるっていうの!?)
憔悴した彼女から昨日の言葉が反響し、心臓に鈍器で殴られたような衝撃が走る。
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