過去ログ - かがみ達は深い霧に囚われたようです
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305:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:29:39.24 ID:p9D9L+3go

(自分が傷つくのが怖いから!)

 私があんなことを言っていなかったら。
彼女のこんな背中を見ることは、なかったんじゃないだろうか。
以下略



306:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:32:54.38 ID:p9D9L+3go

「……っと、ごめん」

 みゆきの背中に体が触れ、いつの間にか彼女の間近に来ていたことに気付く。
そんなに早足になっていたんだろうか。
以下略



307:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:35:47.98 ID:p9D9L+3go

「……どうし……」

 しっ、という動作だけで私を制して、彼女は前方を見つめ続ける。
その性急さに半ば呑まれるように、私も黙って校舎の方へ注意を向けた。
以下略



308:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:38:18.24 ID:p9D9L+3go

 聞こえる。
微かに、たん、たん、と規則正しく響くその音は、徐々にこちらへ近づいてくる。

 これは、足音。
以下略



309:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:41:45.71 ID:p9D9L+3go

 間もなく、霧を開いて彼女が姿を現した。

 私よりもだいぶ高い背丈にすらりと伸びた手足、短く整えられた髪形。
シルエットだけでそれが彼女だとわかる。
以下略



310:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:45:40.24 ID:p9D9L+3go

「みゆきさん! みなさんも……良かった……」

 みなみちゃんは喜びと安堵をその声に乗せると、小走りになってこちらへ近寄ってくる。

以下略



311:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:49:16.43 ID:p9D9L+3go

「そいつから離れろぉぉぉぉぉぉ!」

 銃弾のように飛び出した日下部の、その怒号の向こうから、彼女の屈託なく響く声が聞こえた。

以下略



312:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:51:32.62 ID:p9D9L+3go



 いただきます。

以下略



313:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:54:16.20 ID:p9D9L+3go

 反応したみなみちゃんが振り向く、その動きよりも早く『それ』は彼女の左肩に顔を埋めていた。
正面から見えるのは頭だけだが、彼女の肩にその顔の半分が文字通り”埋って”いるようだった。
駆け寄った日下部が、その頭を掴んでみなみちゃんから引き剥がそうとする。
すぐに『それ』の腕が伸びて、日下部の体が弾き飛ばされた。
以下略



314:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:56:44.97 ID:p9D9L+3go

「……あ……あ、ああああああああああああ!」

 跳ね上がった彼女の顔が苦痛で歪んでいく。
裂けるほどに開かれた口から叫び声が溢れ出す。
以下略



315:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/15(木) 01:58:52.25 ID:p9D9L+3go

 それを合図に、凍り付いていた私達の時間が動き出す。

 みゆきはみなみちゃんの傍に駆け寄ると、ワンピースを脱いで彼女の傷口を縛りつけた。
肩を半分抉り取られて白い骨が覗く傷口から止め処なく溢れ出す血が、すぐにワンピースを真赤に染め上げる。
以下略



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