過去ログ - 【ポケモンSS】タイトルは決まっている
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35: ◆.Br/vY/Hx.[sage]
2011/07/22(金) 02:46:48.35 ID:lvNVTI/v0
第4話
「何故だ? お前が口に出して指示したのは"高速移動"だけだった」

 先程のバトル、ジルの言う通りシズクは技の指示を一つしか行っていない。
 しかし、ミニリュウはテンポ良く行動しピカチュウの隙をついて大打撃を与えた。
 その事が不思議で仕方が無い様子のジル。

「落ちこぼれの私に戦術を聞くの?」

 少し嘲笑うかのような強気で不敵な笑み。
 これが"本当の実力!" といわんばかりのコンビネーションに思わず瞳を大きくするジル。

「悪かったよ。その事は謝ろう」

 軽く両手を挙げて謝罪、それに対して笑顔を見せるシズク。
 一歩、二歩とシズクに近づくジル。

「それで、謝ったら教えてくれるの?」

 少し恥ずかしそうに指で自分の右頬を触って喋る。
 するとシズクは少し悩むような困った顔を見せ振り返り背を向ける。
 一歩、二歩と歩き再び柵の方まで歩いて遠ざかる。

「信じなくても良いんだけど……」
「?」

 ジルに背を向けたまま青空を見上げて喋り出す。
 葉が擦れるようなか細い声。少し張りつめた感じで続く。

「私、ポケモンの 声(想い)が聞こえるの」
「……」

 予期せぬ解答、さしずめジルはボールから出る度、一連の技を繰り出すように最初から指示してあるものだと予想していた。
 その答えに唖然とした感じの表情を見せる。
 普通なら「それは気のせいだよ」とか「勘違いじゃないだろうか?」「思いこみだよ」等、否定する言葉が出てくるだろう。
 しかし、ジルは違った。

「そうか、凄いな」

 この事を口にした何処か寂しげなシズクの表情、ミニリュウを出す前に見せた祈るような行動。
 そして、ジルの人柄。その全てを総合した結果、ジルは何一つ疑う事なくそれを信じる。

「良いのかい? 簡単に話すには、結構重大な事だと思うけど?」
「いいよ。あまり信じてくれる人いないし」




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