40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/07/26(火) 22:04:25.48 ID:IUly5t9D0
 それからというものの、仁美の車はさやかの車を尾行しつづけた。 
  
 つけてくる仁美の車の存在に、さやかはバックミラーで気づいていたが、あえて気づかないフリをして 
 平常どおりに運転した。 
  
 (あはは……仁美ったらツンデレだなぁ…) 
  
 心でほく笑んださやかは。 
 その助手席に乗り込んだほむらの姿にまでは気づけなかった。 
  
 最初にほむらの引っぺがしたシートの効が、そこで成していたのだった。 
  
  
 追跡から五分くらい経っただろうか。 
  
 美樹さやかの車がある建物の地下の駐車場に入った。それを追って仁美のポルシェも、同じ駐車場へ下る。 
  
 ほむらが横で勝手にハンドル操作し、乱暴に対向車線を横切らせたので、不満げな一般車のクラクションが 
 その時鳴った。 
  
  
 その建物は、さっきのカフェとは別のデパートで、ほむらの記憶によれば、よくさやかが上条に送る 
 CDを買うショップのあるデパートだった。 
  
  
 さやかは車を停車させると、仁美の追跡を知っていながら何食わぬ顔で駐車場を歩いて、エレベーターに乗り込む。 
  
  
 それを追う形で仁美の車も駐車場につく。 
  
 車が停車すると、ほむらは素早く助手席を降りた。そして仁美にも降りるよう促す。「降りて。はやく」 
  
 「あの…、私がいると足手まといでは…?」 
  
 仁美はただ開放してほしい一心でそう言ったが、ほむらは聞く耳もたなかった。「もう少し付き合って頂戴」 
  
 「はぅぅ…」困ったような仁美のため息がまた漏れる。その仁美の手を、ほむらは強引に手にとって連れ出す。 
  
 不思議な雰囲気の片だと思っていましたが、こんな勝手なお方だったなんて。仁美は心でそう思っていた。 
  
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