58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/07/27(水) 21:05:03.05 ID:Gafw+kPn0
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会話を交わしながら二人は、しばらくドライブを続けたのち、目的地にしていた教会に辿り着いた。
この教会は、昔は杏子の父親のものだった所で、今では廃墟も同然の状態になっている。
既に杏子がそこにいる可能性もあったので、ほむらは物音立てないように静かに車を止めた。
さやかに比べたら佐倉杏子は魔法少女の経験も深く、戦闘にも優れる。油断はできない。
それにほむらは、これ以上仁美を巻き込むこともはばかれた。
「ありがとう。でもここからは私だけでいく。貴女はもういい」
そう告げたが、心境に変化があったのだろうか、仁美はそこで帰ろうとはしなかった。
「いえ、私も手伝いますわ!」
しかし、ほむらはかぶりを振った。
「ここから先は危険よ」
それでも仁美は引こうとしなかった。
「鹿目さんは、貴女がどれほど大切に思っているのかは分かりかねますけど…
私にとっても、大切な親友ですの。お願いです。暁美さん。手伝わせて…」
「…」
同じクラスの生徒、仁美の勇気と友達への想いに。その時ほむらは心に打たれる何かを感じたのだった。
じっと仁美の目を見つめる。それから、改めて念を押した。「私よりおっかない連中だっているのよ?」
仁美は乙女っぽく、ウィンクすると答えた。
「そんな人、いるはずありませんわ。連れてってください」
「そう。なら……」
ふっと小さく口元に笑みを浮かべ、ほむらが優しげな口調で言うと、仁美の手を取った。
「じゃあ……いくわよ」
「ええ」
連れられるまま、仁美はほむらのあとについた。
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