過去ログ - ほむら「あなたは何?」 ステイル「見滝原中学の二年生、ステイル=マグヌスだよ」
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122:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2011/07/28(木) 18:21:22.86 ID:A1e8z63Fo

 ステイルを殴ろうとしているのか、ほむらは必死に右手――というか右肩を彼に近づけようとした。
 しかし拘束は緩まるところを知らず、結局彼女は疲れ果てて脱出することを諦めてしまう。

ほむら「……本当に?」

ステイル「ん?」

ほむら「本当に、なんの力も持っていないの?」

 搾り出されるようにして、ほむらの口元から弱弱しい言葉が漏れた。
 完全にその身を拘束されてしまっている以上、彼女には言葉を紡ぐことくらいしか出来ないのだ。

 懐にあるルーンのカードの枚数を数えていたステイルは、顔を向けることなく返事をする。

ステイル「本当だよ。とりあえずお守りだけでも預けておくから、もう少し拘束されたままでいてくれるかい?」

ほむら「なっ……」

 そう言ってほむらの懐にルーンのカードを忍ばせると、ステイルは結界の奥を目指して歩き始めた。

ステイル「それに、言ったってどうせ信じやしないさ」

ほむら「なっ……待ちなさい、今の言葉はどういう……聞いているの!?」

 背後から聞こえるほむらの声を無視して、歩みを早める。
 巴マミほどの実力者ならば余計な手助けは無用だろうが、万が一が無いわけでもない。

ステイル(しかし――)

 嫌な予感がする。理由があるわけではないが、良くないことが起こる、そんな予感。
 この奇妙な感覚を、自分は過去に経験したことがある。

 いつだったか。“あの子”が頭痛を訴えた時だ。
 知らなかった。知らされていなかった。彼女の頭の都合なんて、まったく聞き及んでいなかった。
 それが最大主教の差し金であることすら、当時の彼は知らなかった。それほどまでに彼は無知で、無力だった。

 だから、と。拳を強く握って、彼は先を急いだ。

ステイル(あんな胸糞悪い事は、もう二度とごめんだからね――!)



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