143: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/05(金) 08:49:02.43 ID:4IO9WEvBo
・・・
「諸君。聞いているか?
今日は、良い天気だ。今日は、非常に恵まれた天候だ。
諸君。聞いているか?
今日は、適度に暑い。今日は、非常に恵まれた気温だ」
男は語る。
その語りを聞く者たちは一言も声を発さず、
身動き一つもせずに男の声を聞いていた。
「風が気持ちいい。日差しが気持ちいい。頬を伝う汗が気持ちいい」
男は語る。
空を仰ぎ、日差しをまぶしそうに捉えながら、
軽く汗をぬぐった。
「……そしてなにより、戦う前のこのピリピリとした空気がたまらなく気持ちいい」
男は語る。
荘厳な雰囲気を漂わせるその空間は男と兵(つわもの)達だけの空間で、
何人たりともよせつけないものであった。
「諸君、今日は戦うには非常に良い日だ。
諸君、今日は死ぬには非常に良い日だ。
諸君らには今日、死地へと赴いてもらう。私もまた然り、だ。
もちろんただで死ねとは言わない。
奴らの喉笛に噛みつき、奴らの阿鼻叫喚を鎮魂歌とし、
何も語らず、何も残さず、一片の肉片と化すまで一気呵成に修羅と成って果てろ!!」
そして男が一呼吸つくと、最期の口上を一気に述べ上げた。
それに呼応するように、兵達の意気は立ちどころに上昇する。
「「「うおおおおおお!!!!」」」
午前十時。上条当麻達の最初の競技は『棒倒し』。
上条の厨二病も真っ青な口上で、彼の所属するクラスのボルテージは最高潮。
妙な威圧感を放っている割には、上条の号令に反応を示しただけで後はシンと黙りこんでいる。
いつ練習したんだと聞きたい程に彼らの息はぴったりと合い、彼らの意気はすさまじかった。
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