213: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/10(水) 08:40:33.60 ID:ZVqRrhcAo
「あ!御坂ストップ!」
「え?何?」
「……そのポールにくっついてる紙、何か書かれてるか?」
質問の意図が分からず、はい?と言った表情を浮かべる御坂。
とはいえ、真剣な顔をする上条からは、悪ふざけではないと言う意図が十分伝わったので、
御坂は素直に答える事にした。
「……野木中学校備品、って書かれてるわね、それがどうしたの?また何か厄介事?」
御坂は、意味のわからない質問や言動をする上条から、
何か事情を抱えている事が見て取れた。
何で手伝ってほしいだとか、助けを求めないんだこいつはいつもいつも、
と言った具合に愚痴が脳裏を駆け廻るものの、
それどころでは無いので御坂は上条に対して文句は言わない。
「……まあ、ちょっとな」
上条がそんな御坂の言葉に返答しあぐねていると、
「そこで何をしている。上条当麻」
聞き覚えのある、クラスメイトの声がした。
「その声は……」
恐る恐る、上条は声の聞こえた方向を向く。
「そこで何をしている、と私は聞いたんだけど?」
上条のクラスメイトで大覇星祭実行委員でもある吹寄制理が、
怪訝そうな表情を浮かべながら、体を支えるように籠のポールを掴み佇んでいた。
「全く、何でこんな所に居るのかは知らないけれど、ここは中学生同士が戦う場よ。
高校生であるあたしやあなたは場違いな存在なの。
こんな能力のぶつけ合いのなかここまで来たあたしを褒めて欲しい位ね。
何にせよ、さっさとここから離れるわよ。言い訳は後にしなさい」
体操服の上に薄いパーカーを羽織るが、
そのパーカーはこの立ちこめる土煙や、飛び散る泥のせいか、少し汚れが目立っている。
どうやらこの競技の参加者では無い上条の姿を確認して、
実行委員としてそれを止めに来たらしいのだが、上条の視線は吹寄には無かった。
彼女の掴む手とポールの間に挟まれた、1枚の紙に目が釘付けになっていた。
それが先程の様に、何処かの備品であると示す言葉が記載されていれば幸いなのだが。
そんな上条の思いを嘲笑うかのように、『英語の筆記体』の様なものが青字で書かれていたように見えた。
瞬間。
「吹寄ぇえぇぇえぇぇ!!!!」
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