過去ログ - とある仮面の一方通行 そのに
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214: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/10(水) 08:41:26.43 ID:ZVqRrhcAo
バギン!と言う鈍い音が響き渡り、吹寄の体はぐらりと斜めに揺らぐ。
その倒れ方は明らかに異常で、上条は思わず叫び、吹寄の体を支えるべく駆けよった。

その声を聞き駆けつけた土御門が、すぐに『速記原典』を止める術式を構築しにかかる。

辺りは相変わらず能力がひっきりなしに行ったり来たりしているので、
土御門が何をやっていても目立つ事は無いだろう。

しかし、間に合わない。

『術式を止めるだけ』では間に合わないのだ。

とはいえ、止めなければもっとひどい事になる。
土御門は体に鞭打ち、『速記原典』を止めるべく術を発動させた。
その反動で更に体に傷を作る事になったが、今はそれどころではない。

「……カミやん!吹寄の様子は!?」

ゲホゲホと、血を吐きながら吹寄の様子を問うが、明らかに土御門も重傷であった。

訳のわからない、と言った顔をする御坂を完全に無視して、上条は吹寄の様子をうかがっているが、
動悸が激しく、ダラダラと汗を流していると言うのに体はひんやりと冷たい。


明らかに異常だった。

しかし、それを何とかする術が上条にはない。

苦しそうに息を吐く吹寄に、何もしてやれない。


何とかしたい。

でも力が無い。


吹寄の体を蝕む『異常』を何とかしたい。

そんな都合の良い力が、今すぐ欲しい。


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