228: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/13(土) 01:43:35.34 ID:Sa0tuZ+9o
「カミやん、もうすぐオリアナの場所が特定出来るぜい」
「そうか……ステイルは魔術を使ってももう大丈夫なのか?
さっきその術式を壊したけど、それだけで本当に大丈夫なのかはわかんないだろ?
いや、魔術の事なんてわかんねーから、それもよくわからないけどさ」
「ああ、電話で聞く限りなら大丈夫そうだったぜい。
心配ならステイルの声でも聞いとくかにゃー?
どうせオリアナを捕捉したらまた電話かかって来るし」
土御門は上条の質問に軽い口調で答えた。
鬼気迫ると言った様子の上条の雰囲気を和らげようとしたからなのか、
はたまたただ単にからかっているだけなのかは知らないが、そんな土御門に上条は少しだけ表情を柔らかくした。
「いや、別に良いよ。あいつと俺は仲良しこよしなんて関係じゃないだろ?」
上条も先程までは頭に血がのぼっていたが、腰に感じるひんやりとした召喚器の感触を確かめると、
心を落ちつけたのか冗談交じりに土御門へと返答する。
「よーしカミやん、吹寄の仇討ちに息巻くのは構わんが、そうやって落ちついてねーと上手く行くもんも行かなくなるぜい?」
「そうだな、悪かったよ……もう、頭に血は上らせねえ」
先程と同様に表情を硬くするものの、その表情は先程のように怒りから来る表情ではなく、
非常に真剣なもので落ちつきを持った顔だった。
それを確認した土御門は最後にもう一つ笑って、
そして2人はオリアナを探しだすべく動き出す。
・・・
「間違えちゃった、てへ。じゃ済まされないわね……」
行きかう人だかりの中でただ一人、誰も目に向けない電光掲示板に掲載されたニュースを眺めて、金髪の美女は呟いた。
内容としては「玉入れ中断の際中に、女生徒が倒れた」と言うもので、
ニュースとしては話題性に乏しく、よく見る日射病には気をつけましょうという呼びかけの為の内容だろう。
それだけの内容だと言うのに、
この女性は予想外の内容に衝撃を受けたと言った表情を浮かべている。
「謝って済まされる訳が無いのは当然だけど」
自分には為すべき事がある。
と、オリアナは脇に抱えた看板の様なものに、強く指を喰い込ませた。
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