233: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/13(土) 01:51:18.10 ID:Sa0tuZ+9o
「……お前が施した術式で、一般人が倒れたぞ。覚えてるか?お前と出くわした時に一緒にいた女だ。
あれが魔術関係者に見えたか?見えたんだったら眼科に行くことを勧めるぜ。
それでも駄目なら目の移植でもした方が良い。腕の良い医者を知ってるから、紹介するけど?」
少しでもこの怒りを、苛立ちを抑えるべくオリアナに向かって皮肉を言い放つ。
その言葉を受けて、上条と土御門に気付かれない程度にピクリと反応を示すが、
見た目には動揺したようには見えず、相変わらず軽く笑みを浮かべていた。
「この世に関係の無い人間なんていないわ。その気になればどんな人間とも関係を作れるもの」
「……そうか。そんな冗談を言えると言う事は、理解してるってことだな。
理解した上で、そんな態度なんだな?」
上条の口調からは、明らかな侮蔑が込められていた。
「今更どうこう言うつもりはないけれど、
お姉さんだって一般人を傷つけるつもりなんてなかったわよ?
……こういうのとは違って」
言った後、オリアナは単語帳の1ページを口で破いた。
カキン、とグラス同士で乾杯した時の様な、甲高い澄んだ音が鳴り響く。
瞬間。
「ぐっ……があ……!!」
うめき声を上げ、土御門は膝から崩れ落ちた。
脇腹を押え、ガチガチと震えながらも土御門はオリアナを睨みつける。
「土御門!!」
やはり今までの負荷が一気に来たのか。思わず上条は土御門へと駆けよった。
傷口は開いた様子は無いが、土御門は痛みに耐えるように歯ぎしりをしている。
「あら?てっきり怪我を負ってるのはあなたの方だと思ってたんだけど。
使い道を間違えちゃったかしら」
言っている間にも、土御門の両手足からは力が抜けて行く。
何とか立ち上がろうとするものの、その力すらなくなった所で、そのまま動かなくなった。
上条は慌てて土御門の呼吸を確認したところ、気絶をしただけらしく少しだけ安心する。
その様子をニコニコと眺めるオリアナを見て、
先程の単語帳を千切る作業によって、何かをしたのだと理解した。
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