234: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/13(土) 01:54:23.70 ID:Sa0tuZ+9o
「お前、土御門に、何をした?」
「再生と回復の象徴である火属性を、青で消しただけ。
さっきの鈴の音を発動のキーとして動かしたんだけど、
簡単に言えば「一定以上の傷を受けている者を昏倒させる術式」よ。
……あなたはそこまで傷を受けていないようね」
幻想殺しが無い今、オリアナの魔術を打ち消す術は無い。
オリアナの言葉が事実なら、これ以上の傷を負えばいずれ昏倒させられる、と言う事だろう。
(って事は、土御門の傷が治るか、術式を何とかしないといけないと言う事か……)
とはいえ、術式―オリアナが握る単語帳の1ページを何とかしたところで、
昏倒させられた土御門を治す事は出来ないかもしれない。
だがしかし、昏倒させられ続ける効果だけはなんとか出来そうなので、
どうにかして単語帳の破壊を目指すべく、オリアナの隙を窺う。
そんな上条の視線を感じて、オリアナは楽しそうな笑みを浮かべ、
自身の正面へと風が吹いているのを見て問題の術式が刻まれている紙を放り投げた。
紙は風に乗ってひらひらと飛んで行く。
「てめえええええ!!!」
上条は激昂して叫ぶが、頭の中は冷静に思考を続けていた。
(あれの手から離れたのなら、紙が見つからなくなる前に……斬るっ!!)
召喚器を頭につきつけ、すぐさま引き鉄を引く。
オリアナはその様子を観察するかのように眺め、動く気配を見せない。
そうして現れたオケアノスへ発した指示は、単語帳を切り裂く事。
オケアノスの持つ大剣には似合わない程の小さな目標に対して、オケアノスは鋭く重い剣を一直線に投げつけた。
それによりあっけなく真っ二つに紙が斬り裂かれる事で術式が破壊されたのか、
苦悶の表情を浮かべていた土御門の顔が穏やかなものへと戻る。
しかし、目を覚ます気配が無いので上条は少し考えた後、納得したように呟いた。
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