247: ◆DAbxBtgEsc[sage]
2011/08/13(土) 21:50:09.38 ID:Sa0tuZ+9o
・・・
(なんだこれは)
ステイル=マグヌスは公園のベンチに座り携帯電話に耳を傾け、苦い顔をしていた。
ベンチの隣には人はおらず、その代わりにコンビニで買ったサンドイッチとペットボトルの紅茶が置いてある。
流石紅茶大国・イギリスの国民であるからかは知らないが、
紅茶は一口飲んだだけで、それ以降口にする事は無かった。
どうやら工場で大量に生産されたそれは、風味も風情も無いように感じられたようだ。
それも苦い顔をしている原因の1つなのだが、他にも原因はある。
携帯電話の向こうから響き渡る、賑やかな声。
『別に「使徒十字(クローチエデイピエトロ)」を調べるのは構わねえんだけどよ。
そもそもそれって、ローマ正教が表に公開するのをかたくなに拒んできた奴でしょう?
だとしたら、今出回っている情報が本物かどうかなんてわかんねえじゃねーか。
つーか、「刺突抗剣」の方はどうなったんだ?』
『事情が変わったんだよ。現場の判断って奴さ』
男言葉と女言葉が同居しているような口調をした声の主の名は、シェリー=クロムウェル。
同じイギリス清教の所属だと言うのに、インデックスに牙をむいたり、
かといって今のようにイギリス全体の問題が起きるとなると迷わず協力すると言う、
非常に複雑な立ち位置に居る女性だ。
戦闘員でありながらも暗号解読専門官でもある彼女は、
今現在謹慎的な意味合いを込めて書類整理をしていたので、
こうしてステイルはシェリーに『使徒十字』に関する資料を求めている。
内心、ステイルは腸が煮えくりかえっていた。
仕事とはいえ何故インデックスを手にかけようとした奴と話さねばならないのか、と。
だがしかし、未遂は未遂なのでステイルも一発シェリーに炎剣をぶち込めさえすれば満足である為、
シェリーの声を聞いて苛立ちながらも円滑に話を進めるべく、冷静を装った声で話を続けていた。
『ふぅん。まぁいいさ、こまけぇ話はそのうちで。
時間もねえだろうし、とりあえず電話代わるわ』
『ああ、そうだね。『そのうちゆっくり』話したいところだ』
ステイルの意図が伝わったのか伝わらなかったのか、
シェリーはそれ以上何もいう事無く電話を代わる。
そして次に出てきた声は。
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