248: ◆DAbxBtgEsc[sage]
2011/08/13(土) 21:51:15.85 ID:Sa0tuZ+9o
『もしもし、もしもーし?あ、もう話せるのでございますか?わかりました、ありがとうございます。
ええっと、もしもし、もしもし?応答を願うのでございますよー』
『……もう話して構わないよ、シェリー=クロムウェルもご立腹の様だしね』
『はぁ、そうなのでございますね。ご指摘ありがとうございます。
……「使徒十字」。何分ローマ正教に所属していた私でさえ、実際に拝見した事はございません。
それだけの隠し玉、と言う事なのでございましょうね。
これの弱点を見つけるのには、かなり苦労しそうでございますよ』
シェリーの代わりにのほほんとした口調で語るは、オルソラ=アクィナス。
こちらもシェリーと同様に暗号解析を得意とし、
魔道書『法の書』の騒動によってイギリス清教に改宗する事になったシスターである。
現在、ステイルは大英博物館から分離独立している英国図書館に眠る膨大な記録をあたる事で(実際に探すのはシェリーとオルソラだが)、
『使徒十字』の使用条件を調べる事にしたのだ。
そんな訳で電話の向こうでは、バサバサと書類か本か知らないが、
紙をめくっている音と何か口論(シェリーが一方的に言っているだけ)が繰り広げられている。
『もふもふ。シェリーさん、シェリーさん。
鈴科さんが学園都市に連れて行ってくれるのでございますよ?』
『あぁ!?テメェ何度言えば分かんだよ、
図書館内でマフィンを食うなって言ってるだろ!?
ていうか鈴科って誰だ!?』
『まぁ。それでは、この辺で軽いお食事など如何でしょうか?
天草式の皆様が作ってくださった、体力補給に治癒促進の為の、
食の儀式を盛り込んだ特製マフィンでございますよ』
『要らねえよ!!要らねえって言うかここでは食えないわよ!!
ああもう、だからマフィンを頬張るなと言ってるだろーが!
アンタそのぽろぽろと口から零してんのも、天草式的に意味のある行為なんだろうな!?』
ステイルはシェリーとオルソラの小芝居を電話越しに聞かされて、溜息をつく。
話をまとめるに、まだ資料に関しては探し始めだから後で掛け直した方がいいと言う事だろう。
電話を切ろうと思った瞬間、あちらの電話が先に切れた。
どうやら何かの拍子に電話が切れてしまったらしい。
意図せず電話が切れるとは、どれだけバタバタしていたのか。
(……どうでもいいか)
ステイルは思考をすぐさま切り替え、先程の事は忘れることにした。
とりあえず土御門元春が学園都市内のセキュリティをあたるとの事なので、
自分はどうしたものか、と思考する片手間にタバコに火を付け、深く煙を虚空へと吐き出した。
「……?」
すると、何やら視線を感じる。
煙を吐き出すのに真上を向いていたのだが、
その視線を真っすぐに戻すと、ピンク髪をした合法ロリ先生が居た。
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