359: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/22(月) 18:49:34.11 ID:s41Jc9Bko
浜面は驚きのあまり、飛び上がる。
しかし浜面が崩れ落ちていた地点は、テーブルの端。
彼の頭の射線上にはテーブルがギリギリあった為に、
それに従って思い切りテーブルを下から突き上げる。
と言っても、ぬるぬるのドリンクは嫌々ながらも大体消化し終えていたので、
主な被害は無造作に置かれていた水の方にあった。
見事にグラスが飛び上がるものの何とか着地を決めたり、
中身の無いグラスが倒れるだけで事は終わるかと思われたのだが。
1つだけ、水の入ったグラスが目を開けて寝ていた滝壺に。
結果として、滝壺は水を思い切り浴びる羽目になった。
そして滝壺は、開いていた目の焦点を浜面の方へとゆっくり合わせて、
「……はまづら……どうしたの……?」
「……原因は確かに俺だけど、ろくに情報を集めもせずに、犯人を俺と断ずる。
成程、四面楚歌に変化はなし、か……」
よよよ、と再び崩れ落ちそうになる浜面を、麦野は煩わしそうな顔をして止める。
その手には、何やら長い文章が表示されている携帯電話が握られていた。
「浜面、アンタはもう帰れ。会計は私がしておくから」
「へ?」
浜面の言葉を待たずして、麦野は続ける。
「仕事が入った。こっからはR指定よ」
ぼんやりと浜面は、俺がアウトなら絹旗とかもアウトじゃないのか?とか場違いな事を思った。
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