過去ログ - とある仮面の一方通行 そのに
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400: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/25(木) 00:50:01.31 ID:ygwqLV1Vo
・・・

拳が交錯する。

男は、大きく仰け反ったが、拳による痛みよりも、
殴られたと言う事実に驚愕していた。

「テメェ……!!」

木原数多は、一方通行によって殴られた。
木原数多は、一方通行を殴る事が出来なかった。

木原は先程の出来事を頭の中で反芻する。一体何が起きたのか。

まず、互いが互いに急接近する中で、一方通行は自身の傷口から手を離した。

そうして、木原の攻撃を真っすぐ伸ばした右腕で払って受け流し、
血まみれの左手で攻撃を放ったのだ。

しかしそれでは傷口から血液の流れを操作する事が出来ない。にも関わらず、血は流れ落ちなかった。

恐らく、演算を手で触れることを介して行うのではなく、直接血管から行ったのだろう。
しかし人間の体を十全に理解して、血管の強度や位置を把握していなければ出来ない行為だ。

それを為せるだけの演算力と知識があったと言う事なのだが、
それでも脳内の演算区域はかなり切迫するはず。

そこで気がついた。

(一方通行が『気付かないうちに』反射を切ってやがったってことか……!!)

木原が一方通行を殴る事が出来た理由。

それは反射の直前に手を引く事で、
一方通行自身がその木原方向に向かう運動ベクトルを一方通行へと反射させてしまっているのだ。

言ってしまえばそれだけの事なのだが、それを為す事の難易度は非常に高い。

何せ無駄な紫外線すらカットしている一方通行の反射の、わずかな隙をついての攻撃。
一方通行の動きや思考、能力の使用状況までも完璧に読みきる頭脳。

それが狙い通りとはいえ、『引き戻す』という本来の動作とは
真逆に動かされているのに問題無く動き続ける筋肉や関節。

そしてその理論に寸分の疑いも持たず、迷いなく実践する胆力。

はっきり言えば、ほぼ不可能な事を可能にしてしまっているのだ、木原数多と言う男は。

しかし、その自身の理論に対する疑いが無さ過ぎた。
確かに、一方通行が反射を切ると言う可能性も頭に入っていたのだ。
しかし、こうして一方通行自身が「反射をさせていたつもりだった」時は、木原の理論が足元から崩れさる。

とはいえそのような偶然、二度は無いのだが、それでも。


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