581: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/09/16(金) 11:37:07.41 ID:61qfjt2Qo
『幻想殺し』は、復活した。
それも何か別の異能を携えた状態で、だ。
幻想殺しはその性質上能力も魔術も使えない。
だと言うのに、今現在上条は異能をも操っている。
右手にしか宿らない幻想殺しの倒し方などいくらでも考えつくが、
それだけでは無く何か別の力も操るのでは、彼を倒すのは一筋縄ではいかないだろう。
元々確定事項だった事だが、ヴェントの決意は更に固まる事となる。
(こいつは、ここで確実に殺す!!)
それを決め、いざ攻撃に移ろうとしたところで、学園都市に異変が生じた。
「ゴハッ!?」
辺りに倒れ伏していたアンチスキル達は1人残らず棺桶の姿へと変貌し、
更にはヴェントが突如として苦しみながら血を吐きだし始めた。
そして上条の視線の先には、無数の光の翼が空へと向かっていた。
あの光の翼を見て、上条は反射的に思った。
(シャドウ……!?いや、ペルソナか……?)
なんにせよ、すんごく強そう。
それよりも、目の前の魔術師。
死人に鞭打つ、とはこのことか。
明らかに苦しんでいる人間を殴るのは心苦しいが、意識を失う前に放った言葉は、
間違いなく事実でヴェントは遊び半分に人の命を奪う事すら出来る人間に違いない。
そう考えるとここでヴェントを倒さねばと思う。
何より、右手の力と共に影がいつ出て行くかもわからないのだから。
(事が落ちついたらってーと、こいつ倒したらって事でいいんかな……?)
そんなことは後で考えるか、と思考を切り替え、一気にヴェントの下へと駆けあがる。
「ぐっ、がぁああぁぁぁ!!!!」
しかしそんな上条への牽制の為か、ヴェントはハンマーを
二度、三度と振りまわし、辺りに風をばらまいた。
それを防いでいる間にヴェントは路地裏の中へと駆けこんで行き、
上条がその路地裏へと入った頃には既にその姿は分からなくなっていた。
「……何なんだ……?」
その呟きは、様々な疑問が一緒くたになって現れた結果だろう。
本当に、何なんだ一体。
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