699: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/10/11(火) 09:41:07.96 ID:4b9YOKk+o
「なぁ、第一位さんよ」
「あ?なンだよ第二位さン?」
「お前さ、今更人助け何かして英雄(ヒーロー)気取りか?
それとも良いことした分だけ今までの分は帳消しになるとでも思ってんのか?」
詰み上げてきた罪。
それは清算するにはあまりに重すぎる。
1人や2人の命を救ったところで、殺した命は戻って来ない。
垣根の言葉に一方通行は口を開かない。
そして垣根の言葉は続いた。
「そりゃ無理ってもんだろ?今更正義を語ったところで騙ってるだけにしか見えねぇよ。
俺達はクソだ。クソったれの悪党だ。そんな奴が今更良い事したからって何になるんだよ?
お前が殺した連中に「僕はこんなに良い事したから許して下さい」とでもいうつもりか?
そりゃ甘すぎんぞ実際。マックスコーヒーより甘過ぎて反吐が出る」
贖罪、すなわち罪を贖う事。
しかし根本的に罪を帳消しにする事など不可能だろう。
いくら償っても、いくら取り繕っても、過去に行った事実を変えることなど出来ないのだから。
自分と同じ悪党が、暗闇から抜け出そうともがいている。
垣根にはそのように感じられて、心底腹が立った。
だったら最初からするな。最初から罪を犯すな。
堕ちるのが嫌なら、その場から動かなければよかっただろうが。
だと言うのに、一方通行は今誰がどう見ても善行を行っている。
まるで贖罪を求めているかのように。
それが垣根には我慢ならない。
ギロリと睨みつける垣根の目を、一方通行はつまらなそうな表情で見つめ返した。
それはまるで、話が噛み合ってない人間に対してどう理解させようか悩んでいるようにも見える。
855Res/840.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。