過去ログ - ひたぎ「これも、また、戯言よね」
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51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:45:00.48 ID:ooW4dNWwo
「あの」
 意を決したような口調で、ひたぎちゃんが言った。
「あの蟹は――今も私のそばにいますか?」
「そう。そこにいるし、どこにでもいる。ただし、ここに降りてきてもらうためには――手
順が必要だけどね」
 三階に到着した。
 教室の中の、一つに入る。
 入ると、教室全体に、注連囲いが施されていた。机と椅子は全て運び出され、黒板の前に、
神床――祭壇が設けられている。三方折敷に神饌、供物が供えられているところを見れば、
今日あれから、急遽作られた場というわけではないのだろう。四隅に燈火が設置されていて、
部屋全体がほのかに明るい。
「ま、結界みたいなものだよ。よく言うところの神域ってやつだ。そんな気張るようなもん
じゃない。お嬢ちゃん、そんな緊張しなくたっていいよ」
「緊張なんて――していないわ」
「そうかい。そりゃ重畳」
 言いながら、教室の中に入る。
「二人とも、目を伏せて、頭を低くしてくれる?」
「え?」
「神前だよ。ここはもう」
 そして――三人、神床の前に、並ぶ。
 僕のときや、翼ちゃんのときとは、ぜんぜん対処法が違うので――緊張しているというの
なら、僕が緊張していた。堅苦しい雰囲気というか――この雰囲気そのものに、おかしくな
ってしまいそうな感じだ。



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