過去ログ - ひたぎ「これも、また、戯言よね」
↓ 1- 覧 板 20
61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:59:39.54 ID:ooW4dNWwo
「娘が幹部を傷つけたんだから――当然だね」
「はい。だから――財産。家も、土地も――借金までして――私の家族は、壊れたわ。完
全に壊れて――完全に壊れたのに、それなのに、まだ、その崩壊は、続いている。続いて
います」
「お母さんは、今、どうしている?」
「知らない」
「知らないということはないだろう」
「多分、まだ――信仰を続けているわ」
「続けている」
「懲りもせず――恥ずかしげもなく」
「それも、辛いかい?」
「辛い――です」
「どうして、辛い?もう関係ない人じゃないか」
「考えてしまうんです。もしも私があのとき――抵抗しなかったら、少なくとも――こん
なことには、ならなかったんじゃないかって」
壊れなかったんじゃないかって。
壊れなかったんじゃないかって。
「そう思う?」
「思う――思います」
「本当に、そう思う?」
「……思います」
「だったらそれは――お嬢ちゃん。きみの思いだ」
忍野は言う。
「どんなに重かろうと、それはてめえで一生背負わなくっちゃならないものだ。他人任せ
にしちゃあ――ましてや母親と同じ――神頼みをしちゃ――いけないだろ」
他人任せ――神頼みだって?!
94Res/88.14 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。