過去ログ - 今日この板を見つけた俺がおまえらの書き込みから適当に物語を進める
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50: ◆LeqE6uV6e6Od[saga]
2011/08/01(月) 21:36:41.77 ID:VLVsNVVk0
まさに、現世の人間が空想したままの光景が目の前で繰り広げられている。
金銭などは存在せず、食べ物は溢れかえり、娯楽施設も充実していて、良識ある人物だけが到達できる楽園。

けれど僕は、そんな人たちに混ざろうとはまったく思わなかった。違うんじゃないか、こんな世界は。

「争いも優劣も怒りも悲しみも勝利も敗北もない世界が酷くうすっぺらく見えるのは、お前がそういう世界で生きてきたからだ。
 澱んだ両目で見るから、なんでもフィルターがかかってそういうふうに見えてしまうんだよ」

いつからそこに居たのだろうか?
幼馴染みが僕の前に立って僕の黒い壺の底のような目を見つめていた。
首のロープはなくなっていて、顔色も健康なものになっている。

ああん、という嬌声が聞こえたので反射的にそちらを振り向いた。
視線の先には、純朴そうな黒髪の少女に跨り、腰を打ち付けている僕の祖父が居た。二人とも全裸で、絡み合っている。
行為の近くにいるにも関わらず、談笑する大人たちや遊んでいる子どもたちは何も気にする素振りを見せなかった。

(そんな)

「性欲が汚らわしいものと思っているから、人目を忍んで行うんだよ。
 元々あれは三大欲求の一つなんだから、睡眠と食事と同じように性交も行えばいいんだ。
 だから、こうやって人がたくさんいる場所でも関係なくやるのさ」

生きている人間の心を覗き見ることが出来るのは、死んでしまったものだけの特権なんだろうか。

(こんなの絶対おかしい)


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