過去ログ - エリー「私と5つの物語……///」
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2011/08/05(金) 21:15:29.69 ID:rkRztRK1o
エリー「夢……?」
五月のまぶしい光が白いカーテンを透かしてベッドに落ちてくる朝、そんな夢を見たのでした。
隣で眠るネロは静かに寝息をたてています。
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2011/08/05(金) 21:15:57.31 ID:rkRztRK1o
ネロは薄く目を開きベッドの上を見回しました。
ネロ「あれ、シャロとコーデリアは……?」
エリー「さあ……どこかなあ」
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2011/08/05(金) 21:16:53.43 ID:rkRztRK1o
野にはちょうどだいだい色のやぶかんぞうの花が咲く季節。
私は本を片手に、読書に向いた場所を探して歩いていました。
そのとき、そんな花の中をシャロが小動物のように、ぴょこぴょこと走っていくのが向こうに見えました。
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2011/08/05(金) 21:17:46.69 ID:rkRztRK1o
それはロマネスクの石造建築のような重々しさの中に、この場に似合わない異質な雰囲気を漂わせていました。
そっと中をのぞき込むとアーチは意外と長く、遠くに光が見えました。
私はなぜかこのアーチの向こうに不思議な世界が広がっていて、そこにシャロがいるような、そんな気がしたのでした。
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2011/08/05(金) 21:18:54.36 ID:rkRztRK1o
そこは小さな庭でした。まるでおとぎ話に出てくるような不思議な庭。
芝生には朝日がこぼれ、小さなてっせんの花が咲いています。
そして、広い空が見えます。
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2011/08/05(金) 21:20:04.44 ID:rkRztRK1o
栗色の布で装丁された古い本。私が子供の頃から繰り返し読んでいるものです。
最近はあまり読むことがなかったのですが、今日はなんだかこの本を読みたい気分だったのです。
シャロ、ここにきたのかな……
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2011/08/05(金) 21:20:51.56 ID:rkRztRK1o
エリー「シャロ……///」
シャロ「エリーさん、シャロですよー」
エリー「やっぱりここにいたんだ」
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2011/08/05(金) 21:22:02.67 ID:rkRztRK1o
エリー「きれいね」
シャロ「あ、あと、エリーさんに、これ」
シャロが差し出したのは様々な色の折り紙でした。
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2011/08/05(金) 21:24:26.07 ID:rkRztRK1o
シャロ「そういえば、エリーさんはなんでここに来たんですかー?」
エリー「シャロを追ってきて……」
シャロ「あたしをですか?」
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2011/08/05(金) 21:28:21.17 ID:rkRztRK1o
初夏の朝、花咲く庭で私は膝の上の本を開きます。
これはとても不思議な、ある少女の物語。
好奇心旺盛な彼女は不思議なうさぎを追って、花咲く草原からうさぎの巣穴に落ちてしまうのです。
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2011/08/05(金) 21:29:35.08 ID:rkRztRK1o
ネロは子供のように私の胸にしがみついています。
震える背中を優しくなでます。
エリー「気持ち、わかるよ……」
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