86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/17(水) 20:49:15.62 ID:c+5+k8k3o
「…ん、っしょ……っと……」
私は、自分のヘアピンを外して、岩陰に文字を掘りました。
“ユイ”
“ウイ”
私たちが死んだ後も、いつか、誰かが、その最期の証を見つけてくれればと願って。
「……これを、あげよう」
そして、私はそのヘアピンを、憂の髪にさしました。
「じゃあ、交換だね……」
憂もまた、リボンを外して、私の髪をくくってくれました。
憂の顔をこの目に焼き付けておこうと思いましたが、あとからあとから涙が溢れて見えません。
涙をぬぐうと、憂も私と同じように、泥と垢と血と涙で顔をくしゃくしゃにしていました。
「えへへ、これでいつまでも一緒だよ……」
「うん……」
私は、憂をしっかりと抱き寄せます。憂も私を固く抱きしめ返してくれます。
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